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第2回 あすばるキャリア塾

 第2回は、北九州市立文学館 館長の今川英子さんをゲストに迎えて、「読書で人間を知る、凛と生きる」をテーマにお話ししていただきました。

 対談の前半は火野葦平や松本清張など、北九州ゆかりの作家のお話で、小倉祇園太鼓を全国的に有名にした映画「無法松の一生」の原作を世に広めたのは、実は吉川英治だったというような、あまり知られていない話に、みなさん真剣に耳を傾けていました。
後半は、今川さん自身の仕事観・人生観のお話でした。文学の研究を始められた頃は、今のように女性作家が評価されておらず、作家を発掘するのも一苦労。女性は才能があっても作品が世に出ることは稀で、資料集めは大変苦労をされたそうですが、それゆえ完成した時の達成感も大きかったと言われます。
林芙美子の研究者として有名な今川さん、でも最初は林芙美子はそれほど好きではなかったという本音も。しかし「目の前にあることは嫌でもやってみる」という信念で研究に取り組んだ結果、研究者としての道を確固たるものにされました。

仕事柄、「お勧めの本は何ですか?」という質問をよく受けるそうですが、その時々で心に響く本は違ってくるし、同じ本でもその時の状況で読み方も変わってくるので、お勧めはないそうです。しかし、「本を読むことで、自分以外の生き方や考え方を知ることができる、つまり自分を相対化できるのです。読書を通して、自分が成長できる喜びを知ってほしい。」と力強く語られました。
また「啐啄(そったく)」というあまり聞きなれない言葉の重要性も説かれました。「啐」はひなが卵の殻を破って出ようとして鳴く声、「啄」は母鳥が殻をつつき割る音という意味。人は希求し続ける事が大切で、欲している時に必要なものが与えられると人生が変わる。それは読書にも共通しています。

最後に、茨木のり子さんの「自分の感受性くらい」を朗読してくださいました。今川さん自身、心を落ち着かせる時にこの詩を読み、勇気をもらっているそうです。
参加者の皆さんからも「本を読みたくなりました」「詩の朗読が素晴らしかった」というお声があり、大変好評でした。本音もポロリと飛び出す、笑いあり感動ありのあっという間の2時間でした。

タイトル読書で人間を知る、凛と生きる
開催日時 2012年6月26日(火)

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