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「第28回 風おこしフォーラム」に参加しました。

2月16日(土)
 2017年7月の九州北部豪雨災害から一年半が経った朝倉市で、第28回風おこしフォーラム「災害復興への住民の力」が開催され、あすばるスタッフも参加してきました。
 主催は、今年度の元気塾(女性による元気な地域づくり応援講座事業)の実行委員団体でもある「特定非営利活動法人住みよいあさくらをめざす風おこしの会」。あさくら元気塾でも「被災した地域だからこそ伝えよう。新たな防災・減災に向けて」をテーマに、5回連続講座「実践!命を守る防災力講座」を実施してきました。今回のフォーラムにも元気塾塾生が参加されていました。
主催者挨拶をする星野理事長
 主催者挨拶で星野洋子理事長は、「私たちは長年、男女共同参画を基軸に地域の様々な課題を取り上げながら啓発活動を行っています。これは男女ということだけでなく、高齢者や若い世代などすべての人が知恵や力を出し合って、住みよい社会を作っていくことなのです。地域コミュニティ再生には、今こそ多様な力が必要だと思います」と述べられ、災害を受けた方もそうでなかった方も災害をみんなで共有し、今後起こるかもしれない災害での被害をできるだけ少なくしなければならないという思いから、あさくら元気塾の実施に至った経緯などをお話しされました。
 
「受援力」ってご存知ですか?
「受援力」とは、災害ボランティアなどの支援を受ける力のことをいいます。第一部は、この「受援力」をテーマに、東無田復興委員会代表の田崎眞一さんによる講演が行われました。2016年4月の熊本地震で、住宅の約7割が全半壊という被害に見舞われた益城町東無田地区。震災直後から現在に至るまで、東無田地区の住民が「受援力」を発揮してどのように地域の復興から活性化に向けて取り組んだのかをお聞きしました。
講師 田崎眞一さん
講師 田崎眞一さん

 地震直後、益城町の中心地から遠い東無田地区の住民は、高齢者や小さなお子さん以外は避難所へは行かず、全半壊した自宅に車中泊などをして留まったそうです。崖崩れや津波の心配のない地域だったことや田舎なので宅地が広くテントを張ったりして過ごすことができたことなどもありますが、空き巣といった盗難被害に遭うことを危惧していたことが要因だったとのことです。大半の住民が地区に留まっていたのですが、地震直後の支援の中心は益城町の中心部だったため、地域住民の共助で生活インフラを整えていきました。
 5月になって本格的にボランティアが入り始めてからは、地域のニーズをまとめ、ボランティア団体へ直接支援を依頼し、団体を固定して重要度の高いものから優先して作業にあたってもらうという独自の受け入れ方法をとりました。これにより復旧作業の効率化につながり、手厚い支援が受けられたそうです。ボランティア文化は、阪神・淡路大震災以降、根付いてきたように思われますが、被災地の行政や住民の中には外部からきたということで警戒したり、支援を受けることを遠慮したりすることもよくあるそうです。東無田地区は、地震直後から地域コミュニティの力が発揮され、ボランティアを「地域」で受け入れ、その力を十分に引き出す「受援力」が高かったことが、より早い復旧・復興につながったといえます。
 また田崎さんから、熊本で地震を経験するなんて思ってもみなかったため、個人も行政も地域も全く対策を立ててなかったこと、自主防災組織が未整備のなかで、大規模災害が発生したらどうなるかというお話もありました。災害が発生すると様々な対応を迫られるのはその地区の区長です。的確な判断や迅速な決断が求められるのですが、そもそも自治会は平時の生活の向上を目的として作られている組織であり、決断力や統率力を考慮して区長を選んでいるわけではないため、混乱が起きます。震災を経験して、防災に特化した組織が必要だと強く感じたとのことでした。
 東無田復興委員会では、住民の「心」と「経済」を元気にするための活動をしています。子ども中心の祭りや地域の歴史の勉強会を開催、高齢者の孤食を無くすための東無田大人食堂をオープン、高齢女性のサークル「絆」で制作したポーチなどの販売、地震の経験を伝える災害スタディツアーの実施など様々です。地震をきっかけに地震前からの課題だった高齢化や人口減を、交流人口や関係人口の増加で解決に導き、地域活性化につなげています。「地域課題を解決する復興を目指したい」「地震をチャンスととらえまちづくりをしたい」という田崎さんの言葉が印象的でした。
 
第二部 意見交換会の様子
 第二部は意見交換会で、5,6名のグループに分かれて話し合いました。
1.講演の中で一番印象に残ったこと
2.災害に備えておくべきことは何か
3.災害があったら自分は何ができるか
 この3点についてそれぞれ意見を出し合いました。皆さんが口々に言われていたのは、今はどの地域でも老人会や婦人会すら無くなっていて地域が衰退しているということでした。地域コミュニティは防災のためだけでなく、地域課題を解決(改善)するために必要だと改めて感じました。
 今回のフォーラムに参加して、風おこしの会が朝倉で長年活動されてきたことで、九州北部豪雨という非常時に力を発揮したことがよく分かりました。
 風おこしの皆さま、元気塾の実施運営、またこのフォーラムとお疲れ様でした!ありがとうございました。また次年度もよろしくお願いいたします。

 

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