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西田 美恵子(にしだみえこ)さん

女性農業機械オペレーターグループ「グリーンズ」 会長

農業機械を自由自在に操り、明るいパワーで地域を元気に

 京都郡苅田町は、周防灘に面した東部には北九州空港や臨海工業地帯が広がり、町の西部は山々に囲まれた緑豊かな田園地帯だ。兼業農家が多く、女性たちが農業の担い手として活躍している。「農業は楽しいですよ!」と明るい笑顔で語る西田美恵子さん。仲間と立ち上げた女性農業機械オペレーターグループ「グリーンズ」は、画期的な農業モデルとして国や県から男女共同参画の表彰を受けた。

小さい頃から憧れの農業

 京都郡みやこ町(旧犀川町)で育った西田さん。実家は薬局だった。戦後のお金はあっても十分な米が買えない時代。周囲には農家が多く、米作りをしている農家に憧れ、田んぼで働く姿がとても楽しそうに見えた。
 小さい頃から「元気印」と呼ばれ、好奇心いっぱいで、何でもやってみる性格だ。人の世話も好きで、周囲から頼りにされることが多い。20代前半は姉の子育てを手伝うために東京へ行き、その後知人が経営する食堂の運営を任されていた。東京暮らしを満喫していたが、お見合いのために呼び戻され、26歳のとき農家の長男と結婚した。

新しいことにチャレンジする楽しさ

 夫は農業高校の教師をしていたため、農業は義母から引き継いだ。農作業を基礎から教えてもらい、外部の講習会にも自ら参加して、いろいろな農作物について学んだ。初めは米と数種類の野菜を作っていたが、野菜は手間暇かかるわりに収入が低かった。西田さんはイチゴに魅力を感じ、栽培を始めることを家族に提案した。「『そんなことせんでいい』って反対されたんですけどね、収支を計算して数字を見せ説得しました。やってみたら収益が出て、みんなから喜ばれました」。
 意見が分かれたときも、決して喧嘩はしない。「私がやるから何もせんでいいよ」と相手には安心してもらい、楽しみながら着々と作業を進める。自分のペースで好きなように働けて、新しいことにチャレンジできる農業が大好きだ。イチゴ栽培で貯めたお金で、数年後には農業機械を購入した。農作業がはかどるようになり、当時まだ珍しかった機械は周囲の農家からも注目を集めた。

仲間たちと力を合わせて

 そんな折、女性向けの農業機械の講習会に参加した。女性6人で大型特殊免許と農業機械士の免許を取得し、女性農業機械オペレーターグループ「グリーンズ」を結成した。メンバーは西田さんが声をかけて集めた精鋭ばかり。「よく働くような人をスカウトしたんですよ」とニッコリ笑う。
 グリーンズは、高齢者が管理できなくなった田畑の農作業を受託したり、休耕地を利用して農作物を栽培する。子どもを対象にした農業体験や食育活動にも取り組んでいる。女性ならではの細やかな心遣いの農作業は、多くの人に支持された。グリーンズの活動は、「男性が機械に乗って女性はその横で補助作業を行う」という既成概念を崩し、新風を起こした。
 現在、メンバー全員が集まる活動は、冬季に行われる「地産地消フェア」と「公民館祭り」。依頼に応じて小学生の食育講座も行っている。設立から12年。メンバーの状況は変わったが、チームワークは健在だ。農業経験が豊富で、地域で活躍する女性たち。集まれば話に花が咲き、「農業の楽しさを若い人たちに伝えたい」と声をそろえる。農業は大地と対話しながら食を育む仕事。自然の中で毎日を楽しむ西田さんの姿は、イキイキと輝いている。  (2014年9月取材)

コラム

やりくり上手

 夫と、長男の家族、義母と7人家族。朝5時前に起きてみんなの朝食と弁当を作り、洗濯をして6時半にはすべて終える。孫を保育園に送るのも西田さんの担当だ。隣に長女の家族も越してきて、ますますにぎやかになった。
 趣味は「やりくり」。手芸が好きで、家族の洋服やバッグなど何でも自分で作ってきた。買うものを極力控え、“つもり貯金”をして家も建てた。「家事と仕事はいくらやっても疲れないんですよ」。

プロフィール

京都郡みやこ町犀川出身。結婚後苅田町で農業を始める。福岡県女性農村アドバイザー、JA福岡みやこ女性部長、JA福岡県女性協議会役員、苅田町男女共同参画審議委員など様々な役職を経験。2004年女性農業機械オペレーターグループ「グリーンズ」を設立し、会長を務めている。「グリーンズ」の活動は、2007年「第6回福岡県男女共同参画団体賞」、2009年内閣府の「女性チャレンジ賞」(男女共同参画担当大臣賞)を受賞した。






キーワード

【な】 【農林水産】

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