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漆原 朗子(うるしばらさえこ)さん

公立大学法人北九州市立大学 前副学長/基盤教育センター 教授

なぜ?を追求し、実証していく過程がおもしろい

 北九州市立大学で初の女性副学長を務め、研究・教育から大学の運営まで関わる漆原朗子さん。理論言語学を専門とし、北九州市立大学で教鞭を執って20年。東京で生まれ育ち、アメリカ留学を経て北九州で仕事に就いた。「言語を分析すると、意外な事実や美しい規則性が見つかります。それを実証していくのがおもしろいんですよ」と研究の醍醐味を爽やかに語る。

言語学の研究とアメリカ留学

 漆原さんは大学4年のとき、授業を通して理論言語学と出合った。理論言語学とは、英語教育、社会言語学などの応用言語学の基礎となる、音韻、単語や文法など言語そのものを研究する分野。言語を論理的にひもとく学問に新鮮な魅力を感じた。
 大学院の博士課程に進んだ年、アメリカの著名な言語学者を招致した講演会が大学で開催され、スタッフとして企画運営に携わり、直接話す機会に恵まれた。それに触発され、理論言語学をより深く学べるアメリカの大学へ留学を決意。学費は奨学金を充て、生活費はティーチングアシスタント(授業の助手)で賄った。
 留学中、29歳で同じ研究者の日本人男性と結婚し、帰国する年には長男が生まれた。夫の就職が福岡市内の大学に決まったため、生後4カ月の子どもと一緒に福岡市で生活することになった。

福岡で仕事をスタート

 夫婦ともに初めての九州。「女性で地元出身でもない私が、ここで専門を活かした研究職を得られるのか。正直なところ大変不安だったし、かなり落ち込みました」。
 これまで、多くの人に世話になり、奨学金ももらって研究を続けてきた。「学んだことは社会に還元していきたい」という思いが強かった。幸運にも、言語学の公募が北九州大学(当時)で見つかった。応募した結果、専任講師として採用。
 11カ月の子どもを保育園に預け、夫婦で協力して育児と仕事に臨んだ。できるだけ土曜に授業を担当して平日の時間にゆとりを持つ、週1回はプロに家事応援を頼むなど、さまざまな工夫をして大変な時期を乗り切った。

新しい企画を立ち上げる

 大学では研究や授業のほかにも、さまざまなプロジェクトに積極的に関わってきた。英語教育のコンピュータシステム導入、人権ハラスメントの規定整備、グローバル人材育成など、他学部の教員や事務局と連携しながら新しいことにチャレンジしてきた。学内の活動だけではなく、市民向けに「北九弁講座」を開催したこともある。
 また、基盤教育センターの立ち上げに尽力し、2008年度からセンター長を務めた。教養・外国語・情報の3つを柱に、大学が力を入れて取り組んできた教育だ。自ら考え判断できる基礎力の育成を目指している。
 教師として長年教育に関わってきた漆原さん。最後に女性たちへのメッセージを伝えてくれた。
「いろいろな生き方がありますが、何(What)をするかよりも、どう(How)するかが大事。自分を磨いたり、工夫をしたり、時間を上手く使ったり。自分が選んだことに腰を据えて取り組み、一人ひとりがその道のプロを目指せばいいと思うんです」。(取材 2014年5月)

コラム

身体をしなやかに鍛える仕舞

 能楽の仕舞(宝生流)を7歳のときに始め、10年ほどのブランクを経て就職後に再開。現在も稽古を続けている。「背筋を伸ばして深層筋をかなり使う動きなので、身体が鍛えられます。古典文学に親しむ魅力もありますね」。
 2014年2月には第1回北九州マラソンに出場し、42.195kmを完走した。「沿道の皆さんの応援がとても励みになり、街の温かさを感じました」。

プロフィール

東京都出身。上智大学大学院外国語学研究科で言語学を専攻し文学修士を取得。ブランダイズ大学大学院博士課程修了(Ph.D (言語学・認知科学))。1994年北九州大学(当時)文学部専任講師となる。2005年10月文学部教授、2006年度同大学基盤教育センター教授、副センター長を経て2008年度から2013年3月までセンター長。2013年4月から2016年3月副学長。福岡市在住。




 

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