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山田 惠未(やまだえみ)さん

株式会社グランド技研 常務取締役 品質管理責任者

女性が活躍する会社に変えたのは、一人の女性の努力だった。

 「私たちの仕事は地盤のお医者さんというイメージです。患者さんの病状を診察・診断し、手術や手当てをするのと同じように、家や施設等を建てる際、そこの地盤の堅さを調査し、沈下による傾きを防ぐための補強工事を行います。ほんの少しの傾きでも、家の立て付けが悪くなるだけでなく、そこで生活する人たちが体調を崩す原因にもなるんですよ」。一見難しそうに感じる建築業界の用語も、山田さんの丁寧な言葉を通すと、すんなりと分かりやすい。三井郡大刀洗町に本社を構える(株)グランド技研は、『女性を活かす』経営方針への転換で、確実に業績を伸ばし続けてきた企業だ。そのきっかけを作ったのは、1997年、経理として入社した山田さんだった。現在は常務取締役として、主に人材育成や総務経理を担当している。

子どもを育てることが働くことへの原動力

 「この春の新規採用も6名中4名は女性です。建築業界はまだまだ男社会ですから、珍しいかもしれませんね」。今でこそ、産休や育児休暇はもちろん、勤務時間や業務をお互いにフォローし合える環境が整い、社員からも『女性がとても働きやすい職場。だからこそ、仕事で貢献していきたい』という声が聞こえてくるが、山田さんが入社した当時、女性はたった一人。男女の差をひしひしと感じていたと振り返る。
 自営業を営む両親の元、久留米市で育った。高校卒業後は、サッシ・ガラスのメーカーに3年間勤務。結婚を機に、洋菓子店や人形店で販売員を勤めながら、出産、子育てに奮闘した。27歳で二女を出産、その半年後には生命保険会社に就職し、セールスレディとして7年間働いた。仕事と家庭を両立するも、離婚を経験し、シングルマザーとなった。2人の娘を育てるため、再就職先に現在の会社を選んだのが、転機となった。

自分の関わり方次第で環境は必ず変わる

 「入社当初、“女性は戦力外” 扱い。与えられた仕事以外、私の意見や提案は取り合ってもらえませんでした。とても苦しい時期でしたが、自分の関わり方次第で環境は変わると信じて、乗り越えて行きました。私の根底にあるのは、実直に働く父の姿。信頼関係を築く丁寧な仕事ぶりを見て育ちました」。取引先でイベントがあれば、積極的に参加。持ち前の明るさときめ細やかな仕事ぶりが顧客側から高い評価を得て、少しずつ営業も任されるように。積極性に富んだ行動と一つひとつの積み重ねが実を結び、業績アップに繋がる事を目の当たりすると、会社も女性の能力を活かす方向へと動き始めた。2004年より女性の正社員登用をはじめ、2013年度には「能力と主体性を持った社員に組織をリードしてほしい」と従来の役職制度を見直し、社員間の立場を等しくした中で、男女関係なく、その人の人間力・仕事ぶりによって人事査定を行うそうだ。そこに山田さんの活躍が、大きなきっかけとなったのだ。

社員一人ひとりのスキルアップを目指して

 山田さんが会社の中に取り入れたものの1つに、毎月1回開催する『グランド・デイ』というものがある。それは全員参加型の社内研修で、一人ひとりに経営理念が浸透し、会社の方向性を再確認する場にもなっている。「始めて7年、笑顔が増え、男女ともに仕事に対するモチベーションも上がってきています」。今後は、もっと積極的に社外研修にも参加させ、一人ひとりのスキルアップを目指すそうだ。さらには女性の営業チームも作りたいと希望を語る。「きっと、うちの会社の強みになります」。顧客と会社を繋ぎ、社員と代表とを繋ぐという重要な役割をこなす姿勢は、後に続く後輩の目標となっている。
(2014年4月取材)

コラム

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 生命保険会社勤務時代、会社を辞めようとした際に、友人が1冊の本を貸してくれました。そこに書かれていたのは、『自分の人生は自分で切り開くもの。自分の考え方1つでどうにでも変わる』という内容。“できるか、できないか”の選択に、“できる”と決心するだけで物事はできる方向に動き出すんだと気づかされました。幸せや成功は自分の中にある。できない理由を並べていたら、本当にできなくなってしまいますよね。「どうせ」「でも」「だって」という言葉を使わなくなりました。

プロフィール

 小郡市生まれ、久留米市育ち。高校卒業後、サッシ・ガラスメーカーに就職。洋菓子店や人形店の販売員、生命保険のセールスレディを経て、1997年株式会社グランド技研入社。2004年10月より、常務取締役・品質管理責任者として、人材育成や総務経理に力を注いでいる。






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【や】 【働く・キャリアアップ】

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