講師情報あすばる相談室ライブラリセンター一覧

西田 尚美(にしだなおみ)さん

NPO法人よか隊 理事長

環境と福祉を一体化した事業で、障害者にも活躍の場を

 糟屋郡宇美町にある「循環レストランのあ」。ドアを開けると「いらっしゃいませ!」と元気な声。ここではハローワークを通じて雇用された障害者が、いきいきと働く。レストランを運営するのは、NPO法人よか隊理事長の西田尚美さん。「生まれてきたことには全て意味があります」と温かい眼差しで話す。

子どもの夢を応援したい

 西田さんは、子育て期に12年間PTA活動に取り組み、副会長も務めた。その後、「筑紫野市女性の翼事業」でドイツ・フランスを訪れ、女性の社会進出を女性が支援するという仕組に感動、「自分も何か社会の役に立つことがしたい」と思い、2003年に「NPO法人よか隊」を立ち上げた。
 設立当初、活動の中心はITを活用したコミュニティを作ることだった。しかし、「子ども達が様々な問題を抱え、なかなか夢が持てないでいる」という現実に触れ、「子ども達の夢を応援したい」と思うようになった。実家は料亭を営み、休みなく働く両親の姿を見て育った西田さん。夏休みには親戚や祖父母に預けられ、寂しい思いを抱えていた。その時の思いもあって、活動の軸は子育て支援に移っていった。
 仕事について考えるワークショップは、子どもの関心を引き出す題材で構成。また地域で活躍する青年たちの話は親しみやすく、地元で働くことの面白さも発見する。興味のある分野で活躍できる職種を知ったとき、子どもたちの表情がぱっと明るくなる。その瞬間が嬉しいと、目を細める。
 こうした活動を経て、2013年、県の基本的生活習慣習得事業の委託を受け、筑紫野市の子育て情報をまとめた「ちくしの子育てダイヤリー」を作成し、公共施設に配架。また、商業施設内に子育て相談窓口を設け、育児相談のほか、子育てに関する情報を提供している。

自然のサイクルに馴染む暮らしを

 よか隊の活動や夫の仕事の手伝いをする一方で、2007年から4年間、宇美町商工会女性部長を務め、環境保全活動にも取り組んだ。行政や子育て団体、農業従事者と協力し「地球のみんなでつなごう!」という小冊子を作成。命と環境のつながりを分かりやすくまとめ、地元の保育園・幼稚園や小学校へ頒布すると、地域住民から好評を得た。また、環境に負荷をかけないよう、廃油を使った石鹸作りも行った。これらの活動を通し、自然のサイクルが自分たちの食生活を支え、その中で農業が大切な役割を担っていると実感。生ゴミで堆肥を作り畑に戻す、循環型の生活を提唱するようになった。

希望が持てる未来へとつなげたい

 2010年よか隊は、筑紫野市ごみ減量推進の委託事業「衣類リサイクル事業」を受託し、障害者を雇用することとなった。その時、障害者が社会の中でいかに自信を失い、生きづらさを抱えているのを目の当たりにした。そこで西田さんは、環境と福祉を一体化した事業を興す決意をし、2012年「障がい者就労継続支援A型施設ノア」を開設した。
 休耕地を借り、良質な生ゴミ堆肥で無農薬の野菜を作る。それを「循環レストランのあ」で調理し、提供している。レストランで出た生ごみは、また堆肥になる。そこは10代から60代までの障害者が働く場所となっている。畑にこれから何を植えるか、メニューはどうするかなど、みんなで考えアイデアを出し合う。ここでは障害者が大切な働き手となり、その活動が環境保全にも寄与している。「人も環境も、どんどん良くなっていくのが分かります。希望が持てる未来につなげたいですね」。と語る目に、深い愛情があふれていた。
(2014年1月取材)

コラム

お互いを生かし合う造形を

 生け花の師範の資格を持つ西田さん。「バラにもかすみ草にも、それぞれの魅力がある。お花を生ける時は、お互いの良さを生かし合うんです。人間も同じでしょう」と微笑む。創造することが大好きで、今思い描くのは、花と廃棄物を生かした造形。大胆な組み合わせを楽しむことで発想の幅が広がるそうだ。

プロフィール

筑紫野市生まれ。高校を卒業後、銀行に就職。3年後、結婚を機に退職。生花店の経営、夫の会社の手伝いに加え、12年間PTA活動に取り組んだ。2003年に「NPO法人よか隊」を設立。商工会活動も積極的に行い、2007年より4年間、宇美町商工会女性部の部長も務めた。2012年12月、障害者自立支援法に基づく「就労継続支援A型施設ノア」を開設。著書に「家族を救ったおかんのあったかご飯―実録家族再生ものがたり」






キーワード

【な】 【子育て支援】 【福祉】

お問い合わせフォーム
公式Facebook
メルマガ登録
ふくおかみらいねっと
あすばるのすまっぽん!