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大村 美和(おおむらみわ)さん

大村果樹園 /福岡県女性農村アドバイザーOB

“ダサイ”と思っていた農業は、とても素敵な仕事でした

 響(ひびき)灘に面し、美しい海岸線が広がる遠賀郡岡垣町。この町の特産品「高倉びわ」は全国的にも評価が高い。それは、地域が一丸となってその価値を高める努力をしてきたからだ。現在、福岡県女性農村アドバイザーOBとして活躍する大村美和さんは、この地で家族と共に果樹園を営み、高倉びわの他にイチジク、桃などを生産・販売している。

男女の持ち味を生かしながら、家族で働ける幸せ

 小さい頃から料理が好きで、栄養士の資格を取りたいと短大の食物栄養学科に進んだ大村さん。サークル活動の一環で、農作物が食卓に並ぶまでを学ぶため農家へ体験学習に行った。それが、農業を知るきっかけだった。「最初は、泥だらけになってする過酷な仕事」というイメージを持っていたが、実際に体験してみると、野菜や果物を育てるのにもカルシウムやリンといった栄養素が必要で、自分が学んでいる栄養学ともつながり、「おもしろいな」と感じたという。
 その時に果樹園を営む男性と知り合い、卒業後すぐに結婚。夫の実家に同居する生活がスタートした。子どもが小さいうちは家事と育児に集中。収穫などの繁忙期にだけ無理のない範囲で少しずつ手伝いをし、やがて本格的に農業に携わるようになった。「最初は、おやつとおもちゃを準備して、子どもと一緒に農場に行っていました。私が作業する横で、自然と触れ合いながら息子は自由に遊んでいました」と目を細めながら当時を振り返る。「農業は男性が主に担うものだと思われがちですが、夫が高所での作業や力仕事をするときには、私は花もぎや袋かけなど細かい作業をする。それぞれが得意なことを生かしながら仕事をしています。何かあったらお互いすぐに相談。そんな環境だから、夫の両親とも本当の親子のような関係を築けています」。
 2006年から5年間、福岡県女性農村アドバイザーに認定された。50~60代の同業種の女性たちと知り合い学べたことは、自身にとって大きなプラスになったという。「みなさん、女性だからと躊躇せず、いろんなことに積極的にチャレンジしカッコいいんですよ。トラクターの運転をする方もいます」と語る。内気だった自分がそういう女性たちと関わることでオープンになってきたそうだ。現在はOBとして、先輩農業者と若い世代との橋渡し役として情報交換をしている。「つながることで、また世界が広がるんですよ」。大村さん夫婦の代になってからは、デコポンの栽培を始めるなど新しいことにも挑戦している。

家族円満が何より大切!

 収穫した果物はJAへ出荷する以外に、夫が作ったホームページを通して販売する。「お客様とのやり取りはすべて私がします。イチジクはしっかり熟れたものが一番おいしいので、常連のお客様に“完熟がありますよ”と電話をすると、とても喜んでくださいます」。タイミング良く販売でき、廃棄処分はなくなったそうだ。農産物の場合ネット販売という、お互いに顔が見えない商売は難しいとされているが、問い合わせや受注後のきめ細かい対応により、客からの信頼が深まっている。「この前のびわ美味しかったから、また注文しますね」と再度注文があると本当によかったと感じるそうだ。
 就農して24年が経つが、農業のいいところをたずねたところ、「農業は家族が協力してできる素敵な仕事、夫婦でやるからこそ、労わりあえます。年々うまくいくようになってきました。家族円満さが、仕事だけじゃなく、すべてに反映されると思います。夫は子どもが小さいころから家事育児によく関わってくれました。男性も家事育児に参画することが、家族円満につながるのではないでしょうか」と優しい笑みでこたえてくれた。
                                     (2013年10月取材)

コラム

読書と映画、音楽鑑賞の時間を大切にしているそうだ。ちょっとしたすき間時間を活用して本を読んだり、空いた夜の時間にはレイトショーで映画を楽しむ。「子どもも好きなので一緒に映画館まで行って、それぞれが好きな作品を見て、一緒に帰ってくるんです。よく親子で映画の話をしたり、同じ音楽を聞いたりしています。」と楽しそうに語る。

プロフィール

北九州市出身。東筑紫短期大学 食物栄養学科を卒業後、結婚を機に就農。3人の子どもを育てながら果樹農家で忙しい日々を送る。2006年~2010年、福岡県女性農村アドバイザーに。現在はOBとして農業の活性化や推進に貢献している。






キーワード

【あ】 【農林水産】

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