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藤原 浩美(ふじわらひろみ)さん

むなかたプレーパーク主宰、IPPOトレーナー&IPPOアドバイザー

宗像を子どもたちの笑い声があふれるまちに

 「心が折れるより、骨が折れる方がましだ」「ケガと弁当は、自分持ち」「子ども時間を思いっきり生きる!」そんなキャッチフレーズを掲げ、子どもがたくましく育つ環境モデルとして、2008年に「むなかたプレーパーク」を立ち上げた藤原浩美さん。子育て支援活動に関わる多数の資格を取得し、育児サークルや保育サービスの立ち上げ、虐待予防子育て支援プログラムの推進活動など、30年以上子どもの成長にかかわる活動を続けてきた。「まち全体を子どもの遊び場に」との思いで、藤原さんは今日も元気に走り回る。

医療現場での経験から生涯のテーマを見い出した

 宗像市の高校を卒業後、看護師を志し中間市の産婦人科に勤務しながら、看護専修学校で学んだ藤原さん。勤務初日に初めて出産に立ち会わせてもらった。「赤ちゃんが生まれた瞬間、お母さんが流した一筋の喜びの涙を見て、感動で胸が震えました。赤ちゃんを産むとはどういうことかを考えるきっかけになりました」。藤原さんは2年間の産婦人科勤務でいろいろな親子に出会い、「家族のあり方」や「人生」を学んだという。准看護師の資格取得後、さらに看護師の資格を得るため、福岡県立看護専門学校(当時)に通った藤原さんは、ボランティアで障害のある子どもや多くの人たちとキャンプなどの活動に取り組んだ。九州大学附属病院では小児科に配属され、ガンや白血病など重い病気を患う子どものケアにあたった。23歳の時、同病院の小児科医師との結婚を機に退職した藤原さん。約5年間の医療現場の経験から「人が育つとはどういうことか?」が生涯のテーマとなったという。

心が折れるより、骨が折れる方がましだ。

 翌年、長女を出産した藤原さんは思わぬ壁に突き当たった。外出が難しい状況の中、夫の帰りも遅く、家の中で赤ちゃんと二人っきりの毎日。気がつけばすっかり孤立していたのだ。夫は小児科医、自分も産科・小児科に勤務した看護のプロ。「知識はいっぱいあるつもりだったのに、実際は何も知らないんだ」と愕然とした。藤原さんは長女の24時間の“看護記録”を1年間克明につけ続けた。「今思えば、育児ノイローゼ気味だったかもしれません。誰かと話したくて、ずっとアドレス帳を持っていて、今、誰に電話できるか考えていました」と振り返る。
 しかし、次女を出産し転居した先で、子育て仲間ができると、藤原さんは本領を発揮しはじめた。看護学生時代に培った企画力や行動力で、クリスマスパーティやお好み焼きパーティなど、近所の親子で楽しめる催しを考え、周囲を巻き込んでいくようになったのだ。三女の誕生を機に、宗像市日の里に引っ越してから、育児サークルの発足から保育サービス、子育て支援団体のネットワークづくりへと活動は本格的なものになった。その後、宗像市子育て支援センターに勤務、カナダの親支援プログラムNobody’s Perfectの認定ファシリテーター&認定トレーナー、NPO法人子どもとメディアインストラクターをはじめ、数多くの資格を取得。子どもに自由で健全な遊び場が必要だと実感し、2008年に立ち上げた「むなかたプレーパーク」は、市民活動交流館「メイトム宗像」の遊具が何もない外庭を開催場所にしている。大人のボランティアスタッフが見守る中、子どもたちは穴を掘ったり、ウォータースライダーをしたり、火おこしをしたりと、自由に遊ぶ。「外で思いっきり遊べる場所が減ってきているので、ぜひ続けてほしい」と保護者からも好評だ。

子どもたちの元気な成長を願って

 2011年からは、福岡県の児童虐待防止育児支援事業に採択された、子育て支援プログラムIPPO(いっぽ)のトレーナーとして、出産後の母親の産後うつや虐待の防止、子どもへの愛着形成にも力を尽くす。多くの母親と接するうち、妊娠中、胎児の重みで腰痛を患ったり、産後赤ちゃんを抱いているうちに腱鞘炎になってしまったりする母親が多いことに不安を抱くようになった。「今のお母さんたちは、小さい頃から外遊びの体験が少なく、子どもを産み育てるための体づくりが出来ていない」。だからこそ、外遊びの場を大切に考え、小学生以上を対象にした「1日プレーパーク」以外に、「乳幼児プレーパーク」や「出張プレーパーク」など、活動を広げてきた。
 「むなかたプレーパーク」の代表を若手に引き継いだ今、藤原さんは新たな活動にむけて走り出している。2012年4月に施行された「宗像市子ども基本条例」を具現化しようと、同年6月に「子ども支援ネットワークWith Wind(ウィズ ウィンド)~子どもと一緒に風を感じる~」を立ち上げた。「まち全体を子どもの遊び場に」と訴え、そのモデルとして常設プレーパークの開催と青少年の居場所作りの実現に取り組んでいる。子どもたちの元気な成長と、まちじゅうに子どもたちの笑顔と笑い声があふれることを願って。「親子がせっかく出会ったのなら、幸せになってほしい」。若い頃から藤原さんが抱いてきた思いは決して揺らがない。

                                         (2013年3月取材)

コラム

将来の夢は公園ジャック!?

「60歳になったら仲間と一緒に公園ジャックをするの」。急に子どものような表情を見せた藤原さん。「私は電動車いすに紙芝居を載せて、子ども達に読み聞かせをする。仲間は飴を売ったりしてね」と、無邪気に話す。子どもを喜ばせるアイディアは無尽蔵だ。「結局、子どもがそのまんまおばさんになったのが私なのよ」。そう笑う藤原さんの瞳は、少女のように澄み切っている。

プロフィール

遠賀郡岡垣町出身。宗像市日の里在住。独身時代は看護師として医療の現場に身を置く。結婚後、3人の子育てをしながら、育児サークルや保育サービスなどを発足させた。むなかた男女共同参画協議会、宗像市男女共同参画懇話会、子育て支援プログラムIPPO(いっぽ)、民生委員児童委員会、NPO法人子どもとメディアなど、所属団体多数。






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【は】 【NPO・ボランティア】 【子育て支援】

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