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重永 侑紀(しげながゆき)さん (2007年3月取材)

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NPO法人CAPセンター・JAPANトレーナー、NPO法人にじいろCAP 代表理事 、NPO法人子どもと保育研究所理事

子どもたちと歩みたい

 イタリアの女性医師であったモンテッソーリの教育論に憧れた重永さんは、その教育を実践したいと、幼稚園の教員になります。結婚を機に幼稚園を退職しますが、子どもが小学校に入学した頃から、再び社会活動に目を向け始め、障がいをもつ方々の自立生活支援活動に携わりました。その頃、日本にCAPの活動を紹介し、女性や子どもに対する暴力防止に関わる活動を行なっている森田ゆりさんの講演を聞く機会を得ます。社会の中で弱い立場におかれる子どもは、特に暴力に遭いやすいという話に感銘を受けた重永さんは、平成9年、ふくおかCAPの活動に加わります。

子どもたちに学ぶ

 CAPの活動を始めた重永さんは、自身も様々なスキルや知識の習得に努めながら、講師として、教育・福祉、医療施設などでワークショップや講演会を行ってきました。例えば、大学では、子どもたちがどんなに社会的に力を持たされていないか、虐待を受けやすい状況にあるのか、どのような心理状態にあるのか、虐待を受けた子どもたちの観察の仕方や接し方を常にワークショップ形式にこだわって実践してきました。
 そして、地元・久留米でもCAPの活動を浸透させたいという思いから、仲間と「にじいろCAP」を立ち上げました。
 「傷ついた子どもたちからこそ学ぶことが多いものです。一方、現代の子どもたちが変化したわけではありません。大人社会が変化したのだと思います。」と重永さんは言います。「誰独りとして傷つけられて良い人はいない。子どもの人権もまた、だれに侵害されていいはずがありません。どんな理由があっても、暴力は許されない。」と、CAP活動を通して、重永さんは強く訴えます。

人間関係トレーナーとしての思い

 重永さんは人間関係トレーナーとしても活動しています。人間関係トレーナーとは、職場や地域において、人間関係を円滑にするためにはどうしたらいいのかを、知識とスキルと事例に基づき科学的に探り、ワークショップなどを通して状況に応じた人間関係の作り方を提供する仕事です。
 だからこそ、活動母体である「にじいろCAP」では、個人がそれぞれの判断で動くことを大切にしています。互いに認めあい、個人がCAPの理念のもとに行動出来るような運営をしています。話し合いをする時には、話を最終的にまとめる人の捉え方によって方向が決まりがちなので、会の運営に力関係が固定されないように常に工夫をしています。
このように、重永さんが人間関係を大切に考えるのは、人権の尊重を、子どもを守る活動の基本に据えているからでもあります。
 「人を大切にするためには、自分もまた大切にしなければならないと思います。自分を否定してしまっては、人を認めることはできないと思うから。I’m OK..You are OK..が大切」と重永さんは言います。

これからの夢とメッセージ

  「これからも、CAPの理念を広めていきたい。そのためには、子どもが発信する一言一言に対して、どれだけのポケットを持って応えてあげられるかが大切になってきます。」と語る重永さんは、ポケットを増やすために、心理学や記憶のメカニズムに関する勉強をするなど、絶えず努力をしています。
 先進国と言われる国々では、虐待を受けた子どもたちの50%が一般家庭に引き取られますが、日本では9割の子どもが施設で生活し、育てられます。より多くの子どもに、家庭での愛情を受けながら育つ機会を増やしていくことが、これからの大きなテーマだと重永さんは語ります。
 また、デートDV防止プログラム作りや、支援者向けワークショップにも取り組んでいきたいと考えています。
 「グループのメンバーが、お互いにエンパワーメントしあえる関係であれば、メンバーそれぞれの考え方や哲学が、様々な活動に活かされる」という人間関係の理想を提唱する重永さん。七色それぞれの個性を大切にし、個人の色を反映させる「にじいろCAP」の活動が、その理想を物語っています。 

                                     (2007年3月取材)

コラム

☆近況紹介☆

〔近況をお聞きしました!〕
現在もCAP活動を続けていますが、むしろ全国で活動しているCAPスペシャリストの養成をしたり、研修をしたりしています。また、NPO法人にじいろCAP代表としては、「思春期プログラム」「子育て支援従事者養成講座」「支援者支援プログラム」などを開発し、福岡県内だけでなく行政単位での「専門職のためのトレーニング」を実施しています。しかし、原点である「子ども」たちとの現場からは離れず、いつも子どもの動きや言葉に教えを乞うていることは変わらず続けています。
(平成23年3月)

プロフィール

CAPのスペシャリスト養成講座を受講後、CAPの活動を始める。
後に久留米市でNPO法人「にじいろ CAP」を立ち上げる。
子どもの虐待・いじめ・誘拐・性被害から子どもをどのように守っていくのかを主なテーマに、ワークショップや講演会を企画、実施し、大人から子どもまで幅広い年齢層を対象とした活動を行っている。

〈これまでの歩み〉
平成9年
森田ゆり氏による「CAPスペシャリスト養成基礎講座」を受講する
   ↓
平成11年
地元・久留米市でCAPの活動を浸透させたいと、「にじいろCAP」を立ち上げる
   ↓
平成14年
「にじいろCAP」をNPO法人に
   ↓
平成18年
県内各地で年間360回のワークショップ・講演会を行うなど、活動中

 

 

 

 


 

 

 

 

キーワード

【さ】 【NPO・ボランティア】 【子育て支援】

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