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乗富 洋子(のりとみようこ)さん

【ロールモデル】
ロールモデルとは

レストランかすみ草 経営者

次世代にメッセージを語りつぐ企業がビジネスチャンスをつかむ!

 

「食」から決めた人生

 「食という文化を通した社会面の活動です」。乗富さんは、かすみ草を開業した理由をこのように語る。社会に自分のメッセージを伝えるために何ができるか考えて、それまで自分に一番関わりが深かった『食』をその基盤とすることにしたという。 
 「『食』を文化として発信する飲食店を造りたい。この思いがかすみ草を起業するきっかけでした。かすみ草は花束の名脇役です。脇役として社会にメッセージを送る起業家を目指しました」。子どもの高校入学を機に退職し、あすばるの女性起業家支援セミナーを受講し、食を文化と考える自分自身のメッセージを社会に表現できるお店を目指して、かすみ草を起業した。
 「作り手である生産者の気持ちを料理人が受け止め、お客様に伝える『生産者の声が聞こえるお店』として九州各地の生産者との出会いを求め、休日はほとんど車に乗って、赤丸をつけた九州地図を見ながら一人で走り回りました」。乗富さんが自分の目指すお店の方向をはっきり認識したのは2004年のこと。
 「『食』を文化として位置づけた飲食ビジネスを成立するための手探りの開業、その開業から5年間が、人生を自分のフィールドで生きることをより明確にしてくれました」。
 5年かけて見つけた「かすみ草」という自分の店の方針。この方針を元に、2006年は自分の伝えたいことをもっと豊かに表現できるように挑みたいと乗富さんは熱く語った。

自分に不足しているもの・社会に不足しているもの

 かすみ草を開業・経営するにあたって、資金面、機材の搬入などで男性中心社会の壁を感じた。しかし、乗富さんは困難を乗り越える方法を次のように語った。
 「自分に何が不足なのかを理解したら、困難は、ただの条件に変わります。甘えがあると、自分に不足しているものが見えないのです」。
 日常生活では気付きにくい、自分に不足しているもの。それを見つけ出すことが自分に降り注ぐ困難を乗り越える方法なのだ。

将来の夢

 将来の夢は、「食文化をこころのふれあいとして日常の生活に定着させること」と乗富さんは語る。かすみ草は、久留米市の市街地からずいぶん離れた静かな場所にある。
 お年寄りも多く、昔のようなご近所づきあいも感じられる町。心が触れ合うコミュニケーションが感じられる環境だからこそ、食べ物をトレンドやブランドというものではなく、文化というメッセージで直接伝えようと乗富さんは考える。利益は目的ではなく結果と考え、食を文化と考える意識を持ち自分のお店を開業したのだから、この意識をこの地域から広めていきたいそうだ。この意識改革のために、現在行っている『赤ちゃんを連れての参加OKの料理サークル』以外にも、一人暮らしの高齢者を対象にした『朝食会』を毎週土曜、朝8時から開催している。高齢の方が隣町からバスに乗り、杖をついて参加することも。将来的には人と人との心のコミュニケーションを発信できるビジネスを目標にしている。

これからの夢とメッセージ ~名脇役のベンチャーになりたい~

 「あきらめないで生きてほしい。自分のものさしで生きてほしい。自分のものさしで自分の人生を生き抜いてください。そうすると人生が楽しめてゆっくり生きていけます。 自分の速さで生き抜いたら『夢』は自然に持てるものだと思います。そういう人が増えていけば、きっとお年寄りや幼児が安心して暮らせる世の中になると思います。次の世代にメッセージを語り継ぐことができる企業がビジネスチャンスを掴み、21世紀に生き残れる!と確信しています。そのメッセンジャーであり、名脇役のベンチャーでありたいのです」。この理念を抱き、レストランという食の文化を通して、今後も乗富さんの社会活動のチャレンジは、久留米市の一角から少しずつ広まっていくだろう。
(2005年12月取材)

プロフィール

飲食関係の仕事を7年間し、1998年子どもの高校入学を機に退職。知人のフランス料理店でアルバイトをしながら修行する。あすばるの女性起業家セミナーを受講し、食を文化と考える自分自身のメッセージを社会に表現する店の起業を考える。
2001年8月にレストラン「かすみ草」を久留米市にオープンする。

 

 

 

 


 

 

 

 

キーワード

【な】 【起業】

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