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松岡 恭子(まつおかきょうこ)さん

株式会社スピングラス・アーキテクツ 代表取締役

建築の世界に己を表現する

 

地域を生き生きとさせるものをデザインしたい

 建築・都市・土木デザインを専門とし、東京電機大学では准教授として研究室を主宰する松岡恭子さん。10代半ばの豊かな感受性に溢れていた頃よりさまざまな芸術に触れ、将来は自身の感性や価値観を発揮できる仕事を…と思っていた際に建築と出会った。 建築家にとって、ひとつの建造物を建てるには、外観のデザインはもちろんのこと、内装の色や形、素材を見る眼が必要となる。さらに、建物の周りの地域の特徴や文化を感じ取ることも大切な資質であり、それらを地域の中でどう具現化できるかが評価の分岐点となる。
 建築とは、それらのすべてを自分の多様な感性で表現できる世界だと感じた松岡さん。「たとえば、集合住宅はこういうもので、こうあるべきだ。そういう定型みたいなものを壊して、地域によりそいつつ、新しい生活像をつくる空間をデザインしていきたい」と語る。
 新北九州空港連絡橋や大名の商業施設。小さなものでは、テーブルなどの家具。そして、ユニークなものとして西鉄バスのデザインも手掛け、独自の世界観を訴求してきた。その表現力、完成度の高い作品が高く評価され、2008(平成20)年には福岡県文化賞、建築九州賞作品賞を受賞した。

十人十色、百人百様の魅力

 「建築は、一人では何も出来ない」と言う松岡さん。事実、施工にはさまざまな立場の人が絡む。資材の過不足、施工現場における工事の質、工期の遅延、時には予想もしないアクシデントに見舞われることもあり、多くは人の問題に帰結する。しかし、そんなところも建築という仕事のおもしろさであり、奥の深さだという人もいる。
 時に、リーダーとして厳しい判断を強いられ、現場にいる年上の人や現場経験の豊富な職人さんに対しても言葉を強くしなければならないこともある。「建築は大きな責任を負う仕事。でもモデルとなる建築家像があるわけではない。仕事のやり方や関わり方は、十人十色、百人百様でいいので、そんなところがいい」自説の中に建築家としての自負が伺えた。
 この世界、起業とはベンチャー企業のように〝会社を興す〞ことではなく、独立して個人の名前で仕事をすること。1992(平成4)年に「マツオカ・ワン・アーキテクツ」を設立し、今年、20年目を迎えた松岡さん。『松岡恭子』という建築家としての名のもと、自身の仕事のやり方、さらに結果の質を問い続ける。その道に終りはない。

プロの意識と姿勢を貫く

 講演の機会も多い松岡さん。会場では、聴衆の方から「女性だからという理由で、仕事がやりにくかったことはありませんか?」という質問をまま受けることがあるという。
 答えはひとつ。「いま振り返れば、そういうことはあったかもしれませんが、自分では特に意識せずに鈍感であったように思います」。独立して20年…今日までの歩みは、与えられた仕事へひたむきに取り組み、最大限の成果をクライアントへ提供することの毎日。そこに、男女云々が入り込む余地はない。
 「20代、30代は、体力の極限まで仕事をしてきました。女性だから、男性だから…ではなく、どこまでプロとしての自覚を持ち、自己に厳しい姿勢を貫けるかが問われるのではないでしょうか。もちろん、どの仕事にも共通することだと思いますが…」。
 建築家には、デザイン力はもとより、徹底したコスト管理などの経済的な視点も求められる。当然、大きな責任がのしかかる。クリエイティブな部分とともにマネジメント能力も求められる仕事。困難を成長の糧としてきた松岡さんに、プロフェッショナルの強さを見た。
(2011年2月取材)

コラム

書店は私にとって大切な空間

 ふだんは緊張感の中で仕事をしていますから、数少ない休暇はリラックスとリフレッシュに欠かせません。なかでも、書店を訪ね、次の休暇には何を読もうかしらと店内を歩く時間は、至福のひと時…。本の森に入っていくのはわくわくします。最近はアマゾンなどネット通販を利用する機会も増えました。好きな作家の知らなかった作品を探すのに便利ですね。

プロフィール

福岡市出身。建築家。
九州大学工学部建築学科卒業。東京都立大学大学院修士課程、コロンビア大学大学院修士課程修了。1992(平成4)年に「マツオカ・ワン・アーキテクツ」を設立。平成2002(平成14)年に「スピングラス・アーキテクツ」に改称。2007(平成19)年から2014(平成26)年3月まで東京電機大学准教授を勤める。2008(平成20)年には、福岡県文化賞を受賞。建築だけにとどまらず、土木、環境、家具など、多彩な分野で活躍中。






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