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森 咲子(もりさきこ)さん

【ロールモデル】
ロールモデルとは

株式会社咲ら化粧品 代表取締役

誰もが自分らしく、自分を好きになれるように

 

製造中止から一念発起!

 長年愛用していた化粧品が、ある日突然製造中止に。残念だとは思いながら、あきらめて代わりの商品を探す人が大半の中、森咲子さんは違った。製造元の工場に直接掛け合い、自ら販売することを条件に、生産再開の約束を取りつけたのだ。従来の商品に改良を加え、わずか数カ月後には新ブランド「咲ら(さくら)」を立ち上げる。美容業界に携わった経験も、もちろん会社経営のノウハウも皆無だったが、「今まで使っていたものを、ずっと使い続けたい」という強い思いの成せる業だった。
 「別の商品をいくつも試したんですが、やはり15年使い続けて、自分の肌で確信したものを作っていただきたいと。『自分が使いたい品質を、自分が買いたい価格で』がコンセプトなので、パワーストーンのトルマリン石を入れても1本1890円。多少利益が減っても、満足のいかない商品では意味がありませんから」。
 発売日は2003年(平成15年)3月21日。記念すべきお客第1号は、森さんと共に前身の商品を使い続けていた母親だった。

支援の手が次々と…運を引き寄せる力

 その後の森さんの強運ぶり、人を引き寄せるパワーには、目を見張るものがある。起業したばかりの頃、商品開発の相談に訪れた福岡市商工会議所で、女性起業家セミナーの受講を勧められたこと。そのセミナーで作成した事業計画書が市の審査を通過し、商工会議所内のインキュベート(創業者育成)施設に3年間入居できたこと。市内温泉施設での実演販売中、大手ドラッグストアチェーンの社長と出会い、全店舗での取り扱いが決まったこと。それが大々的に新聞に取り上げられ、注目を浴びるようになったのも、インキュベート施設で向かいのブースに事務所を構えていた起業家仲間の紹介によるものだった。
 「インキュベートで一緒だった方々には、それぞれの専門分野で助けていただいたり、刺激を受け合ったり。今もお付き合いが続いていて、凄く勉強になります。本当にタイミング良く、周りのサポートや縁に恵まれました。先輩の女性起業家の方々が、大変な思いをして開拓してくれたおかげだと思います」。

魅力と幸せを咲かせる「咲らいふ」

 化粧品会社の社長として、また1人の女性として「自分の魅力を咲かせて、幸せを咲かせるお手伝いをする」を企業理念に掲げている森さん。今後は、スキンケア・ヘルスケア・メンタルケアの3方向から、ゆっくりと自分の魅力を育て、花咲かせるライフスタイル――“咲らいふ”を提案していきたいと考えている。化粧品「咲ら」に加え、管理栄養士の資格を生かして身体の内側から健康的な美しさをプロデュースしたいという構想も。また約2年前から勉強しているコーチングではインストラクターの資格を取り、「人生のハンドルを自分で握る」というメンタルトレーニングやコミュニケーション指導を行っている。
 「人は考え方次第で自信が持てたり、行動に移せたりするんです。肌も身体も心も健やかに、その人が自分らしく『自分でよかった』『私って結構いけるかも』と思ってもらえるようなことを提供していきたいですね」。
(2011年2月取材)

コラム

2009年(平成21年)10月、森さんら5人の女性経営者によるイベント運営組織「輝く女性プロジェクト」が誕生した。「自分の中にある可能性に気づき、行動を起こすきっかけを作り、人と人とのつながりを作る」というミッションに基づき、さまざまな講演会やブース出展を企画。発足から1年を過ぎた現在では少し形を変え、イベント運営だけでなく、月1回のミーティングを通じて参加者全員がもっと気軽に、よりフラットな立場でアイデアを出し合い、やりたいことを見つけようと活動している。

プロフィール

福岡市生まれ。中村学園大学食物栄養学科卒。地場大手スーパー勤務を経て、フリーのMC・レポーターに転身。2002(平成14)年夏、長年愛用していた基礎化粧品が製造中止となったのを機に、自ら新ブランドの立ち上げを決意し、翌年「咲ら」の販売を開始する。2004(平成16)年1月から3年間、福岡市が運営するインキュベート(創業者育成)施設に入居。2006(平成18)年、株式会社咲ら化粧品を設立し、福岡市ステップアップ助成事業奨励賞を受賞。

 

 

 

 


 

 

 

 

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