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安川 千鶴子(やすかわちずこ)さん

【ロールモデル】
ロールモデルとは

農産物直売所 ほたるの里 代表

一歩前に出る勇気が、道を拓いてきた

 

始まりは週に一度の朝市から

 1987(昭和62)年、6人の農家の女性が起ち上がった。それぞれが育てた野菜・果実を持ち寄り、週に一度の朝市を始めたのだ。その中心となったのが、現在、宗像市にある農産物直売所『ほたるの里』の代表を務める安川千鶴子さん。
 「農家は、お米や大豆、麦などを作って年に一度出荷します。そこで通帳にお金は入るけど、それで一年間を暮らさなきゃいけない。もちろん農閑期にはアルバイトやらへ行くんですが、農家の女性には、なかなか自由になるお金がなかったんです」。
 きっかけは、農業情報誌に載っていた朝市、直売所の紹介記事だった。自分たちも作った農産品を売れば自由に使えるお金を稼ぐことができる。誰に遠慮することもなく洋服や化粧品を買うことができる。そんな思いを募らせていた折り、近くの農業倉庫の前が空いていることが分かり、そこで朝市を開催。とはいえ、商売には素人だった6人は最初、「いらっしゃい!」の声すら出なかったという。

常設の農産物直売所をオープン

 倉庫前を借り、軽トラで始めた朝市。恥ずかしさが先に立ち、呼び込みの声をかけられなかった女性たちにも、いつしかお客さんとのやりとりに笑顔と軽口が出るように…。
 「自分たちが作った作物に、自分たちが値づけをして売り、利益を分け合う。この喜びをもっと多くの農家の女性に味わってもらいたい」そんな気持ちが少しずつ膨らんで行った安川さんたちは、常設店舗の運営を考えるようになる。
 そして1999(平成11)年、資金面などいくつかの問題をクリアし、委託販売による農産物直売所『ほたるの里』をオープン。続く2005(平成17)年には売り場拡大のためのリニューアルを果たした。「朝市がここまで大きくなるとは…。今では出荷登録者も320名となり、品ぞろえも充実。本当に感謝です」と目を細める。
 しかし、周辺に『道の駅』などの競合が増え、これからが正念場。旬の野菜を使ったレシピ紹介や健康情報発信など、顧客満足を高める挑戦は続く。

農業女性の地位向上をめざして

 農家の仕事、経営者としての業務。忙しさが増す安川さんに、ある日、JAむなかた女性部長への白羽の矢が立つ。「私に務まるのか?」ためらいを打ち消したのは、次の女性のために道を作るという使命感。時に1995(平成7)年のことだった。
 部長として農家を見つめ、会合へ出席して勉強を重ねるうちに、安川さんに見えてきたのが、農家の女性に対する不条理だった。たとえば、川土手の草取りなど集落の全農家が出る勤労では男性なら2,000円貰えるが、女性は1,000円しか出ない。そんな古い慣習に対して「女性だから半額というのはおかしい」と声を上げたのだ。
 こうした農業女性の地位向上への取り組みが安川さんをJAむなかた初の参与へ押し上げ、2001(平成13)年には宗像市で初の女性農業委員に選ばれることとなった。
 「必要なことは1歩前へ出る勇気、そして声に出すこと」。信念と共に歩んできた安川さんの言葉がいま、強い説得力を持つ。
(2011年2月取材)

コラム

年に一度の全国直売所サミットが楽しみ

 店舗業務や農家の仕事でほとんどプライベートはないですね。楽しみというわけではないんですが、年に一度全国直売所サミットが開催されます。パネラーのディスカッションや情報交換、現地視察は視野を広げ、いい意味で刺激を受けることができます。後継者育成も急がなきゃいけないし、まだのんびりできそうもないですね。 

プロフィール

1987(昭和62)年に、女性農業者6名で毎週水曜日、朝市での農産物直売活動を開始。1995(平成7)年度から3年間「JAむなかた」の女性部長を務めた。また、1996(平成8)年度から5年間、JAむなかた初の女性参与を務めた。途中1998(平成10)年には、農産物直売所「ほたるの里」を開設し、初代組合長に就任。2001(平成13)年度から2年間は、宗像市初の女性農業委員を務めた。
 2008(平成20)年に「農山漁村女性チャレンジ活動表彰」にて経営局長賞を、2009(平成21)年には「第8回福岡県男女共同参画表彰」にて男女共同参画県民賞を受賞。

 

 

 

 


 

 

 

 

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