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男性管理職のための女性活躍推進セミナー【連続講座】 全3回

「女性社員を活かすこれからの経営」と題して、男性管理職のための女性活躍推進セミナーを3回連続講座で開催しました。コーディネーターに西田明紀さん(ヨハクデザイン代表、福岡地域戦略推進協議会フェロー)をお迎えして、講義や管理職によるトークセッション&グループワークを行いました。


 

 連続講座の第1回目は、西田さんによる女性活躍概論の講義からスタートしました。「経営戦略としての女性活躍推進」と題し、まず、日本において女性の就業促進は、経済成長につながることが試算されており、それが海外からも注目されていると紹介されました。その中で、日本の役員・管理職の女性比率が先進国の中で最低水準であることや、他国の積極的な取組が進む中、格差はますます広がりつつあり、女性活躍推進に向けた企業の取り組みを、より一層加速化する必要があることをデータで示されました。
 そして、企業経営におけるダイバーシティ・女性活躍推進が、これまでは企業の社会的責任として働きやすい会社に制度を整えてきたが、今後は、経営戦略として、企業の競争力を高め、あらゆる人材を活かし、価値をだせる会社へ、働き続けられる制度へと位置づけが変わってきていると話されました。

 その後、会社の現状を「育成」「育児休職・時短勤務」「男性向け施策」「働き方」などの観点からワークシートに整理し、グループワークで、各自のワークシートを紹介し、この講座で学びたいことを共有しました。「他の企業でもダイバーシティに注目し、すでに取り組んでいることを知ることができました。自信を持って活動を進めていきたい」との声がありました。
 

 10月15日の第2回目は、同じ会社から2人の管理職をお迎えし、松田和久さん(西部ガス株式会社 住宅エネルギー本部法人流通開発部 部長)、一瀬香さん(同社 人事労政部人事サービス室 マネジャー)と「女性を育てる『制度や仕組みづくり』の現場から」をテーマに、トークセッション&グループワークを行いました。西部ガスで初の女性管理職となった一瀬さんを、当時同じ部署だった松田さんがどのようにサポートしていったのか、また、一瀬さんからは、管理職へ打診された時の不安な気持ちや、その解消法など、当事者からしか聞けない貴重なお話を伺うことができました。また、同社は平成26年度に女性活躍推進基本計画を策定され、今では、女性だけでなく男性の働き方も変わり、短時間の働き方を受け入れる職場風土に変りつつあるようです。
 後半は、男性上司から女性部下(28歳独身)へ、新規プロジェクトのリーダーを打診するというロールプレイングを行いました。プロジェクトメンバーに年上の男性もおり、前向きに考えにくいという設定のもと、リーダーを引き受けてもらうために効果的な話の進め方、気持ちの引き出し方など身をもって体験しました。

 参加者からは、「上司と部下双方から生の声が聴けて大変参考になった」、「長いスパンで女性活躍に取り組んでこられたお二人の話は第1回目の講義とは違った刺激がありました」といった感想が寄せられました。
 

 10月29日、第3回目の連続講座の最終日は、大和田 徹さん(麻生教育サービス株式会社 キャリアマネジメント事業部 マネジャー)と杉本美穂子さん(株式会社日立製作所 九州支社 公共情報システム営業部 部長)をお迎えしました。この日は「女性が活躍する『職場風土づくり』の実践」をテーマに、お二人の取り組みをお聞きしました。

 大和田さんからは、日頃からどのような気持ちで部下と接し、マネジメントしているかをお話しいただきました。部下と接する6か条は、「特定の社員をひいきしない」「性別・年齢にとらわれない」「話を聞く」「役割を明確にする」「解決しないといけない問題が発生したら放置しない」「感謝の気持ちを伝える」と述べられました。取組事例の一つとして、様々な雇用形態、年齢、家族事情などにより全員で実施しすることが難しかった懇親会を、会社の会議室を一時的に保育室にすることで実現しました。それを機にコミュニケーションが良くなり、明らかに全員のモチベーションが上がったそうです。そして、社内会議は時間内に必ず行うなどの地道な取組みから、辞める人が多かった職場が周りをサポートし合う職場風土に変わっていった様子が伝わってきました。
 杉本さんは、育休明けですぐに課長職を打診され、断ろうと思っていたが、「大変だけど、頑張って」の上司の言葉で、課長職を10年。その後、現在の部長となった当時の子育と仕事の両立の大変さや、現在は、介護問題にも直面されていることなど、ご自身の体験、管理職としてのお気持ちなどを、率直にお話しいただきました。「管理職は、部下を育てるのが仕事です。だからホンネでぶつかります。部下の成長を感じられるのがよいところ。やってみてだめならやめればいいので、やってみることが大事」。また、常日頃から変わりなく声をかけられた経営層のお話も、これから女性活躍を推進していこうとしている参加者にとって参考になったようです。

 参加者からは「リアルで臨場感があり、腑に落ちました」、「心がけ6か条が大変参考になりました」、「(杉本さんが)気負いなく自然な形で管理職をされていることに驚くとともに、一つの理想形だなと思いました」といった感想が寄せられました。

 

タイトル 女性社員を活かすこれからの経営~社員の力を引き出し、企業の成長につなげるために~ 
開催日時 2015年9月30日(水) ~2015年10月29日(木)

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