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【センター長コラム No.83】意外と知らないキーワード②――「男女共同参画」、「積極的改善措置」

こんにちは。

今年は、もみじの紅葉が遅い気がします。侘助が花盛りです。

お変わりありませんか。

 

前回から、今年1年を振り返って、お問い合わせや研修依頼の多かった男女共同参画に関するテーマや用語について総括しています。

 

最近、行政や女性団体から、「男女共同参画」に関する基礎的な話を聞きたいという依頼が多くあります。

男女共同参画社会基本法制定(1999年)から20年以上が経ち、行政職員も若い世代が増え、制定当時の全国的に高揚した熱気を知らない人も多くなりました。男女共同参画を推進する上で、「男女共同参画」について基本的なことを理解することが必要です。

 

そこで、今回は、「男女共同参画社会」とはどういう社会なのか、男女共同参画社会基本法に定められた定義をお話ししたいと思います。

 

基本法第2条に「男女共同参画社会の形成」について、次のように定義されています。

 

「男女共同参画社会の形成  男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うべき社会を形成することをいう」

 

つまり、「男女共同参画社会」とは、「男女は対等」で、「自分が望めば、どんな分野にも参画することができ、利益と責任を共有する」社会です。

 

ポイントとなるのは「参画」です。

「参画」とは、「そこにいる」というのではなく「意思決定過程に加わる」ということです。

 

「男女共同参画」は、「男女平等」を当然の前提とした上で、「男女平等にとどまるものではなく、さらに男女が各人の個性に基づいて能力を十分に発揮できる機会を保証され、さまざまな分野における意思決定過程に参加すること」であり、「参画」という言葉は、この点を強調するものなのです。

 

ですから、例えば、審議会の女性の委員を40%にするという場合、定数10人の審議会であれば、女性が4人入っていればそれでよいというのではなく、女性委員にちゃんと意見を言っていただくことが求められているのであり、女性も遠慮せずにしっかり意見を言うことが必要です。

それこそが、女性も責任を共有することになるのです。

 

この第2条には、もう一つ、「積極的改善措置」も次のように定義されています。
「積極的改善措置」も重要なキーワードです。

 

「積極的改善措置   前号に規定する機会に係る男女間の格差を改善するため必要な範囲内において、男女のいずれか一方に対し、当該機会を積極的に提供することをいう」

 

「前号に規定する機会」とは、「社会のあらゆる分野の活動に参画する機会」です。

したがって、「積極的改善措置」とは、社会のあらゆる分野で、男女間に参画する機会の格差がある場合、その格差を改善するために、必要な範囲内で、その機会を男女どちらかに積極的に提供するということです。

 

「積極的改善措置」は、1979年に採択され日本も1985年に批准した「女子差別撤廃条約」に定められており、第4条に、男女の事実上の平等を促進することを目的とする暫定的な特別措置をとることは差別ではないとされています。

 

 

さて、基本法では、国や地方公共団体は、「男女共同参画社会の形成の推進に関する施策」を行う責務を負うとされています。国の男女共同参画基本計画、都道府県の男女共同参画計画の策定や実施といった施策です。

 

この「男女共同参画社会の形成の促進に関する施策」には、(「積極的改善措置」を含む)というカッコ書きがつけられていて、国や地方公共団体の施策には積極的改善措置が含まれるようになっているのです。

 

例えば、自治体の審議会に、女性委員の就任を計画的に進めていくというのも積極的改善措置の一つです。

 

下の図は、男女共同参画社会基本法が制定された1999年(平成11年)9月に、当時の総理府男女共同参画室が作成したパンフレット『男女共同参画社会の実現を目指して―男女共同参画社会基本法のあらまし―』に掲載されている基本法の施策の仕組みの図です。 

 

 

上の図で、国の責務のところに「積極的改善措置を含む」施策の策定・実施となっています。地方公共団体の責務は「国の施策に準じた施策」の策定・実施となっており、国の施策に準じるということは、積極的改善措置を含むことになるのです。

 

ときどき、「なぜ女性を優遇するのか」といわれる、という声を聞くことがありますが、事実上の男女格差がある場合は、その状況の改善のために必要な範囲内で女性に積極的な機会を提供することは、法に定められたことを実行していることである、ということを行政職員も認識する必要があります。

 

ちなみに、男女雇用機会均等法は、第8条に、(性別を理由とする差別の禁止)は、事業主が、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保の支障となっている事情を改善することを目的として女性労働者に関して措置を講ずることを妨げるものではないと定めています。

 

最後に、男女共同参画社会基本法の「基本法」とは何かについてです。

基本法とは、国政における重要分野について、制度や政策に関する基本方針を明示した法です。

法制度上は、基本法も一般の法律と同じ「法律」ですが、その対象とする政策分野の施策を方向づけるものであり、実質的にはその対象分野における他の法律に優越する性格を持っているとされています。

 

ですから、例えば、「女性活躍推進法」にも、「政治分野における男女共同参画推進法」にも、第1条の目的に、「〇〇をすることが一層重要となっていることに鑑み、『男女共同参画社会基本法(平成十一年法律第七十八号)の基本理念にのっとり』・・・」と規定されています。

 

男女共同参画社会基本法には大変重要なことが書かれています。行政職員の皆さんは今一度基本法を、注釈を含めて、読むことをお勧めします。

 

 

終わりは、マイ農園だよりです。今回はベランダのプランター農園です。

タイ料理づくりに生のトウガラシを使うので、プランターにトウガラシをずっと残しています。トウガラシは完熟するまで畑においておくと、辛みがまろやかになって、うまみが出ると聞きました。

イチゴに季節はずれの花が咲きました。

寒さが厳しくなってきました。体調管理にご留意ください。ではまた。(2022.12.19)

 

   

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