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【センター長コラムNo.82】 「アンコンシャス・バイアス」と「隠れたカリキュラム」

お変わりありませんか。

皇帝ダリアが咲きました。青空を背景に高く咲く大輪の花は、皇帝の名にふさわしく実に優雅です。鉢植えの花は吉祥草。花が咲くと縁起が良いのでこの名前がついたようですが、丈夫で育てやすい花で、放っておいても、この時期になると花が咲きます。

 

「あすばる男女共同参画フォーラム2022」には、11月20日のプレイベントから11月26日の福岡県男女共同参画の日のメインイベントまで、多くの皆様にご参加いただき、ありがとうございました。

 

11月26日に開催した脚本家・大森美香さんのスペシャルトークは、会場開催と県内15か所に設けた視聴会場への映像配信の、2本立てで行いましたが、会場にも視聴会場にも、大変多くの皆さんがご参加くださいました。

 

また、県民の皆さんには、参加だけでなく、男女共同参画を学ぶための様々なイベントの開催や農産物販売ブースの運営なども行っていただき、3年ぶりのリアル開催を盛り上げていただきました。

心からお礼申し上げます。

 

さて、あすばるフォーラムが終わると、もうすぐ12月。そこで、今回からは、今年1年を振り返って、講演依頼や、お問い合わせの多かったテーマやワードについてお話ししていきたいと思います。

 

今回は、「アンコンシャス・バイアス」についてです。

「アンコンシャス・バイアス」は、男女共同参画や女性の活躍が進まない要因の1つとして関心が高まっており、「アンコンシャス・バイアス」に関する講演依頼を多く受けています。

 

「アンコンシャス・バイアス」とは、「無意識の思い込み」、「無意識の偏見」のことで、過去の経験や日々接する情報によって、無意識に、これはこんなもの、あれはこんなものと思い込むことです。

 

人を認識するときも、A型の血液型の人はこんな性格、〇〇県人はこういうタイプというように、ある種の典型的な特性を思い浮かべることがあります。

そのような認識方法自体は誰にでもあることですが、その「アンコンシャス・バイアス」に気づかずにいると、無意識に出る言葉や行動が、人の行動を制限するなどの悪い影響を及ぼすことがあります。

 

男女共同参画の障害とされるのは、「男性とはこんなもの」「女性とはこんなもの」という思い込みです。

 

男性あるいは女性にとって「ふさわしい」、「こうあるべき」と考えられている役割や行動規範があって、私たちは、知らず知らずのうちに、その行動規範に従ってしまう、あるいは、それに従わない人は「普通ではないもの」と異端視されるということが指摘されています。

 

大森さんとの対談で取り上げたNHKドラマ「あさが来た」の主人公は、「女に教育はいらない」と読書を禁止され、「女は商売に口など出すべきではない」とも言われました。これは、江戸―明治時代の話ですが、現代でもそのようなことはないでしょうか。

 

現代でも、「女のくせにでしゃばるな」、「母親なのに子どもを置いて単身赴任をするのか」と言われるということをよく聞きます。

でも、「男のくせにでしゃばるな」、「父親なのに子どもを置いて単身赴任をするのか」と言われることはほぼないと思います。

 

「女のくせにでしゃばるな」というような非難だけでなく、「女性に夜遅くまで仕事がある管理職の仕事をさせるのは気の毒だ」というような善意の配慮により、女性の活躍の機会を奪うこともあります。

また、女性自身が「女の私が言うべきではない」、「男性をたてるべき」と、自ら行動を抑制したり、選択肢を狭めている場合もあります。

 

女性だけでなく男性の行動を規制することにも注目しなければなりません。

「男は一家の大黒柱」「困難を乗り越えてこそ男だ」「男のくせに弱音をはいて・・・」などと言われることもあり、生きづらさを感じている男性もいます。

 

では、どうすればよいのでしょうか。

それは、人は「アンコンシャス・バイアス」を持っているものだということを常に意識し、何かを判断するときに、「アンコンシャス・バイアス」による判断ではないかと立ち止まって考えることだと思います。

「普通はこうだ」、「どうせ無理だ」とひとりよがりで考えず、いろいろな人の意見を聴こうというスタンスがあればいいと思います。

 

ところで、「アンコンシャス・バイアス」は、誰もが持っているもので、なくすことはできないと言われますが、私は、「男とは、女とは」の偏見は、できるだけなくすよう努力をしていかなければいけないと思っています。

その1つが、私たちが日常見ているテレビや新聞などのメディアからの情報の影響です。

 

以前、学校教育で、授業で男女平等を教えても、授業に使う教科書に、いつもエプロンをつけて料理をしている母親とカバンを手に出勤する父親が描かれていたり、学級運営でも、いつも男子が学級委員長で女子が副委員長であったりすると、知らず子どもたちに性別役割分担意識や「男性が主で女性が従」という意識が植えつけられるということが問題になりました。

 

それを、正規のカリキュラムではない「隠れたカリキュラム」と言われました。

 

このような「隠れたカリキュラム」は、学校以外の場でもたくさんあり、特に、メディアの影響力は大きいと言えます。ドラマもそうですし、CMもそうです。

最近は洗剤のCMに男性タレントを起用したり、女性の管理職や経営者が登場するドラマも増えましたが、CMは繰り返し流されるものですし、視覚的に入ってくる映像は心に残るものなので、「隠れたカリキュラム」を意識した映像づくりをしていただきたいと思います。

 

また、家庭での家族の会話や発言も子どもたちのアンコンシャス・バイアスを形成すると言われます。子どもは親の背中を見て育つのです。

 

「アンコンシャス・バイアス」があることに気づくだけでなく、「アンコンシャス・バイアス」を次の世代に引き継がない努力も必要だと思います。

 

 

最後にマイ農園だよりです。

今年の我が家の温州ミカンは、3Lほどのビッグサイズになりました。味は、さほど大味ではなく、甘かったです。鉢植えのレモンに、今年初めて、まん丸の小さな実が4個なりました。1個収穫しました。

コロナ感染者がまた増加しています。どうぞご自愛ください。

ではまた。                          (2022.11.28)

 

 

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