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【センター長コラム No.77】 「ジェンダー・ギャップ・レポート2022」を読む――日本の男女平等度は65%

こんにちは。

カサブランカの花が咲きました。圧倒的な存在感です。2枚目の写真はムクゲです。ムクゲは1日花ですが、次々に花を咲かせ、長い間見ごろが続きます。

お変わりありませんか。

 

7月13日に、世界経済フォーラムから「ジェンダー・ギャップ・レポート2022」が発表されました。すでに、新聞やテレビでもかなり大きく報道されたので、皆さんよくご存じだと思いますが、今日は、レポートをもとに、少し詳しく、日本のジェンダー・ギャップの状況をお話ししたいと思います。

 

次の図は、内閣府男女共同参画局のホームページに掲載された今年のジェンダー・ギャップの状況です。

 

 

今年の日本のジェンダー・ギャップ指数は0.650で、世界146か国中116位でした。(今年は分析対象の国が増減した結果、146か国中の順位となっています)。

 

昨年は、ジェンダー・ギャップ指数が0.656で、165か国中120位でした。順位だけを見ると上がっているように見えますが、指数を見ると、0.656から0.650に下がっています。全体の国数が減っているため、順位だけでは測れないのです。

 

指数0.650というのは、平等度が65%であるという意味です。つまり、「女性は3分の2弱の平等しか享受していない」ということになります(指数1が平等度100%です)。

 

そして、日本のジェンダー・ギャップは、G7(先進7か国:カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、英国、米国)中最下位であり、日本が属する東アジア・太平洋地域の19の国の中でも最下位です。

 

東アジア・太平洋地域では、混乱が続いているミャンマー(67.7%、106位)よりも低く、G7では、日本の1つ上のイタリア(平等度72%、63位)に大きく引き離されており、日本のジェンダー・ギャップがいかに大きいかが分かります。

 

日本は、諸外国に比べて、ジェンダー平等推進の速度が遅いと言われます。

そこで、日本のジェンダー・ギャップの推移を見てみたいと思います。表1は、過去5年間の「ジェンダー・ギャップ・レポート」から、日本のジェンダー・ギャップの推移を作成した表です。

 

表中「-」で示したように、今年の測定では、「経済参画」のサブ指標の「専門職・技術職の男女比」と「教育達成率」のサブ指標の「高等教育就学率の男女比」のデータが盛り込まれていません。特に、日本の教育分野における平等達成率のネックである高等教育(大学・大学院)就学率の男女比のデータが盛り込まれていない点は注意してください。

 

表1を見ると、日本のジェンダー平等度(総合)は、2018年の66.2%がピークで、ずっと65%台となっており、ジェンダー・ギャップは改善されていないことが分かります。

 

特に日本のジェンダー・ギャップが大きい原因が「政治参画」と「経済参画」ですので、この2つを見てみましょう。

 

政治参画分野のギャップは、国会議員の男女比、閣僚の男女比、過去50年間の国家元首(大統領や首相)の在任年数の男女比で測定されます。

 

国会議員については、2院制をとっている国は下院の議員数で測定されるので、日本の場合は衆議院議員の男女比で測定されます。日本の衆議院総選挙は、2017年10月に行われた後(定数465人、女性は47人当選)、昨年10月に行われましたが、昨年の女性の当選者は45人と、前回を下回りました(女性の割合は、10.1%から9.7%に低下)。今年の指数は、女性9.7÷男性90.3≒0.107となります。(以下同様に、指数は、女性÷男性で算出されます)

 

日本の政治分野の数値の上下は、閣僚に占める女性の数の違いによるものです。女性の大臣が1人か、2人か、3人かという違いで、国際的にみると、女性の割合は大変低い状況にあります。

 

女性の総理大臣はまだいないので、この指標はゼロが続いています。

 

ところで、7月10日の参院選で、女性は125議席中35議席を確保しました(女性28%、男性72%)。

そこで試しに、先の衆議院議員選挙で、女性が今回の参院選と同レベルの28%の議席を確保していたと仮定した場合、政治分野のジェンダー・ギャップ指数はどうなるかを試算してみたところ、表1の「国会議員の男女比」の指数は0.389となり、「政治参画」の指数は0.148(順位98位)となります。

政治分野における男女共同参画推進法が今後十分機能し、女性議員が増えることが望まれる所以です。

 

(ただし、「政治参画」だけでなく、「経済参画」のジェンダー・ギャップが大きいことも考慮しなければなりません。上で試算したとおりに「政治参画」の指数と順位が上がったとしても、「経済参画」が変わらなければ、私の試算では「総合」の指数は0.671、順位110位にとどまります。)

 

さて、今年のジェンダー・ギャップ指数低迷の、もう1つの大きな要因は、経済分野のジェンダー平等度の後退です。

このことは、「ジェンダー・ギャップ・レポート2022」にも指摘されていて、日本の経済参画は、2016年時点のレベルまで低下したと述べられています(29ページ)。

 

この低下の原因の1つは、男女の不均衡な労働力率の低下です。実は、労働力率は男女ともに減少していますが、女性の減少幅が大きいのです。

もう1つの原因は、役員・管理職の男女比で、女性が減り男性が増えているため、平等度の数値は落ち込んでいます。

企業は、女性管理職を増やすことにもっと力を入れることが求められます。

(レポートの208-209ページに日本の状況が掲載されています。)

 

さて、世界経済フォーラムがジェンダー・ギャップ指数を発表し始めたのはなぜかというと、「男女の不平等は、人口の半分を占める人の生活の質を損なうだけではなく、人材の半分の潜在能力を十分に活用していない国は、競争力を損ない、国の長期的な成長と幸福にも重大なリスクをもたらすから」という認識によるものです。

 

ジェンダー・ギャップ指数で日本を評価すると、「わが国は、教育水準の高い健康な女性が社会で活躍できていない国である」と言えます。この状態は、国際的な競争力を損ない、国の長期的な成長にとって重大なリスクがあるということを認識しなければならないのです。

 

最後は、マイ農園だよりです。

生育の悪かった裏の畑のキュウリが、やっと、なり始めました。晩白柚の混雑した実を摘果しました。

コロナ感染が急拡大してきました。感染予防にくれぐれもご留意ください。

ではまた。                          (2022.07.15)

                             

 

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