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【センター長コラム】 ナイロビ会議――新たな出発点

こんにちは。

お変わりありませんか。

今日の写真は、大山レンゲとバラです。白いバラは「アイスバーグ」というつるバラです。アイスバーグは、6~7年前、ホームセンターのバーゲンセールで売れ残っていた小さな苗を植えたものですが、3年ほど前から花を咲かせるようになりました。

 

 
 今回は、1985年に開催された第3回世界女性会議(国連婦人の十年最終年世界会議)についてお話ししたいと思います。
 
 
 

国連は、女性の地位向上のために1975年を国際婦人年として1回目の世界女性会議を開催、翌1976年から1985年を国連婦人の十年と定め、国連婦人の十年の中間年の1980年に第2回世界女性会議を開催しました。

 

国際婦人年、国連婦人の十年の共通のテーマは、「平等・開発・平和」です。

 

第3回となるこの会議は、国連婦人の十年の成果を検討し評価するとともに、国連婦人の十年以後の取り組みを話し合うことを目的に開催されたものです。

 

会議は、1985年7月15日~26日に、ケニアの首都ナイロビで開催され、政府間会議には157か国が参加、合わせて行われたNGOフォーラムには15,000人が参加しました。

男女雇用機会均等法の制定に尽力した赤松良子さんも、政府代表として参加しています。

 

会議では、国連婦人の十年の間に「平等・開発・平等」の目的達成のために行われた努力を2000年まで継続することにし、目的達成を阻む障害を克服するための具体的な対策を示す「西暦2000年に向けてのナイロビ将来戦略」を採択しました。

 

ナイロビ将来戦略は、2000年という目標達成年と具体的な対策を明確にした女性の地位向上のための青写真です。以後、各国はナイロビ将来戦略に沿って、女性の地位向上政策を進めていくことになりました。

 

このように、ナイロビ会議は、国連婦人の十年の締めくくりであると同時に、2000年という目標を持った新たな出発点となったのでした。

 

ところで、ナイロビ会議に関しては、もう一つ特筆すべきことがあります。それは、NGOの女性の活動がとても活発に行われたということです。「NGO」とは、Non-Governmental Organization(非政府組織)、つまり、民間の組織のことです。

 

世界女性会議では、第1回のメキシコ会議のときから、政府間会議と並行してNGOフォーラムを開催しています。メキシコの参加者は5,000人ほどでしたが、ナイロビでは15,000人が参加しています。

 

日本からも700~800人が参加したといわれます。私が住んでいる北九州市からも20人の女性が参加しており、そのときの感動の思い出話をよく聞いたものです。

 

北九州の女性たちは、ナイロビで「北九州の働く女性」をテーマにワークショップを開催しました。

当時は「ワークショップ」という言葉もなじみがなく、最初は「ショップで何を売るんだろう?」と思ったという笑い話や、ワークショップの終わりに150人を超える参加者が輪になって炭坑節を踊ったというエピソードもありました。

 

彼女たちは、ナイロビで見た世界のNGOの女性たちの姿を見て、自ら行動することや、自分たちでつかみとることの大切さを認識し、その後1990年代の北九州の男女共同参画行政を市民の立場からけん引していったのです。

 

北九州の女性だけではありません。昨年の「あすばる男女共同参画フォーラム2019」で基調講演をしてくださった、文京学院大学名誉教授の山下泰子さんが会長をつとめる「国際女性の地位協会」も、山下さんたち研究者が、ナイロビで行われた「女子差別撤廃条約」を普及するワークショップに参加したことをきっかけに、ワークショップを行った団体(International Women's Rights Action Watch:国際女性の権利監視協会)の活動に共感して、日本における女子差別撤廃条約の浸透のために設立したものです。

 

最後に、もう一つ、「ナイロビ将来戦略」に関する話題を。

 

ナイロビ会議から5年後の1990年に、各国のナイロビ将来戦略の実施状況が検討され、国連の経済社会理事会は「ナイロビ将来戦略勧告」を採択し、各国に実施ペースを速めるよう要請しました。

 

この勧告の中に、政府、政党、労働組合、職業団体等は、「西暦2000年までに男女の平等参加を達成するため、指導的地位に就く女性の割合を、1995年までに少なくとも30%にまで増やす」という目標をめざし、そのためのプログラムを定めるべきである、という項目があります。

 

「指導的地位に就く女性を少なくとも30%」というフレーズ、見覚えがありませんか。

そうです。「202030」、つまり、2020年までに指導的地位に就く女性を少なくとも30%にするという政府目標で、2003年に決定されたものです。

 

「202030」の30%目標は、国際社会では1990年に、1995年を目途として設定されていたのでした。

ちなみに、今の国際社会の目標は、2030年までに50%50%で、2015年の国連婦人の地位委員会で採択されました。

 

それでは、今日はこの辺で。

次回は、第4回世界女性会議について見ていくことにしたいと思います。

 

終わりは、マイ農園だよりです。晩白柚(ばんぺいゆ)の花が咲きました。晩白柚農家では、大きな実をつけるよう花を1つに間引くようですが、わが家では房のように咲いています。茶色の花は、5月初めに咲いたポポーの花です。

 

ではまた。                          (2020.05.21)

 

 

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