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白水 ルリ子(しろみずるりこ)さん

株式会社 晴天 代表取締役

ちゃんと向き合えば、ピンチはチャンスになる

 26歳のとき、1億3700万円の借金を背負った白水ルリ子さん。ひたすら働いて返済を続け、33歳で葬儀専門の人材派遣会社を立ち上げた。底抜けに明るい笑顔とエネルギッシュな話しぶりは、まさに社名「晴天(あおぞら)」にピッタリだ。

借金を抱え、アルバイトをかけもちして返済

 みやま市出身で、専門学校を卒業後、幼児の英語講師になった白水さん。23歳で結婚し、翌年に出産。25歳のとき、まちおこしのためにマイケル・ジャクソンを地元福岡に呼ぼうと、仲間7人で会社を設立した。夢が実現し、イベントは成功を収めたものの、仲間のひとりがチケット代全額を持ち逃げ。白水さんは、親戚や知人から前借していた1億3,700万円の借金を背負うことに。「みんなに責められ、激怒され、ただただ謝るしかなくて…」。莫大な借金を前に、普通ならぼう然と立ちつくしそうだが、白水さんはすぐ気持ちを切り替え、15年で完済すると決意した。「現実的に考えたんです。1億3700万円を15年、365日、24時間で割ると、時給1060円ほど。それなら私にもできると思えて。まあ、睡眠や食事を計算に入れてなかったんですけどね」と大らかに笑う。
 夫と離婚し、2歳の娘を連れて実家へ戻り、早朝から深夜までアルバイト三昧。「資格もキャリアもないから、誰にでもできるバイトでコツコツ稼ぐしかない。1日5つかけもちして、2時間睡眠のことも。悩む余裕すらなかったけど、もともと働くことが好きだったのが幸いでした」と明るく話す。怒濤の生活でも、子どもと過ごす朝の30分だけは捻出した。「毎朝子どもとご飯を食べると決めていたんです。早朝の市場などの仕事から一度帰宅し、子どもの顔を見て話し、すぐ次の仕事へ向かいました」。

思わぬきっかけで起業し、新しい事業を展開

 返済を続けながら、33歳で会社を設立。きっかけは、葬儀の司会をしたいという友人を応援すべく、福岡県内の葬儀の人材会社に電話したこと。「葬儀業は毎日忙しく、人手が足りないと聞き、私にもできそうだと急に思い立ったんです。2か月で50の葬儀を見学し、業界に関わる人たちに話を聞かせてもらい、知れば知るほど奥深さに引き込まれました」。2002年、葬儀専門の人材派遣会社を立ち上げた。女性30人が登録してくれたが、白水さんを含めド素人の集団で、初めはクレームの嵐。そこで、全員が苦情内容をリストにして共有。同じミスをしないように徹底すると、徐々に評価が上がり、依頼が増えた。そのノウハウをもとに、37歳で九州初の葬祭専門スクールを開校。さらに、全国の葬儀業者の電話受付業務を請けおう日本初の葬儀専門コールセンターを始め、会社は右肩上がりに成長。結局10年で借金を完済し、再婚もした。
 白水さんの快進撃の源になったのは、実はわが子のひと言だ。起業から数年、娘が10歳のとき。「おとなしくものわかりがいいと思っていた娘が、ある日突然、ママは仕事のほうが大事やけん、私のことなんてどうでもいいやろと言ったんです。それで、初めて告白しました。多額の借金を抱えていたから、娘の入学式や参観にも行けず、必死で働いてきたこと。でも、あなたがいたから、今まで頑張れたと。すると、娘から『思っていることは、言葉にしないと伝わらない』と返されて…。ちょうど会社のスタッフが私についていけないと次々に辞めていた時期で、誰に対しても丁寧に思いを伝えることが大切だと気付き、意識するようにしたら、いろいろなことがうまくいくようになりました」。

3つのポリシーを胸に、葬儀業界を明るく照らす

 現在は老人ホームの運営やオリジナル葬儀のプロデュースも手がける。葬儀の世界は、「終活」という言葉に象徴されるように、最近前向きな捉え方をされるようになってきた。「海外進出や上場も視野に入れつつ、時代の変化に柔軟に対応していきたい」。そう語る白水さんには、大事にしていることが3つある。「1つは、どんなときも笑顔でいること。2つ目は、動くこと。考えすぎたり、ネットの情報だけに頼ったりせず、自ら動き感じたことを信じたい。3つ目は、何事にもまっすぐ向き合うこと。私は借金やクレームなどのピンチから逃げず、正面から挑んだからこそ解決できた。今は座右の銘にしているピンチはチャンスという言葉が、昔は大嫌いでした。借金があるうちは、そんなきれいごとじゃないと。でも、振り返ってみると、ピンチはチャンスだったと思える。しっかり向き合った分だけ、チャンスになりうる。自分の人生を変えられるのは、自分なんですよ」。(2014年10月取材)

コラム

 「私、仕事が大好きだから、起きている間はずっと仕事のことを考えているんです。趣味の旅行やウォーキングをしていても、仕事のことが頭から離れません」。そう話す白水さんは2年前、唯一、無になれるものを見つけたという。それは茶道(遠州流)の時間。「中国人の起業家に、日本人なのに日本の文化を知ろうとしないのが不思議と言われて、なんだか悔しくて茶道を始めたんです。そしたら、お茶をたてている時間は全くの無になれる。初めての経験で、それから月2回は通っています」。

プロフィール

 みやま市出身。福岡外語専門学校を卒業後、幼児の英語講師となる。結婚して出産後、26歳で1億3700万円の借金を抱えることになり、30業種ほどのアルバイトをして借金を返済。2002年に葬儀専門の人材派遣業をスタートし、実家の敷地にあった小屋を事務所にして「株式会社晴天」を設立。2006年、九州初の葬儀専門スクール「aozora学院」開校、本社を福岡市天神に移転。2008年、日本初の葬儀専門コールセンターを始め、東京・大阪支店を作る。介護施設の運営、葬儀の企画も展開。年間30本ほどの講演も行いつつ、カンボジアを中心にボランティア活動にも力を入れている。






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