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園田 理恵(そのだりえ)さん

九州電力株式会社 人材活性化本部 ダイバーシティ推進グループ長

3人の子どもを育てながら働き続け、管理職に

 3度の出産・育休を経て、子育てしながら仕事を続け、2014年7月ダイバーシティ推進グループ長に抜擢された園田理恵さん。「思いがけない人事で、身が引き締まる思いです。私の経験から、出産してもキャリアを諦めなくていいことを知ってほしいし、自らの反省点も含めて伝えていきたい」という言葉の端々に、真面目さと謙虚な人柄がにじんでいた。

仕事に没頭し、20代後半から育休を3回取得

 福岡市で生まれ、九州工業大学に入学。女性が圧倒的少数の理系大学を選んだ理由を「鉄腕アトムが大好きで、人と心を通わせられるロボットを作りたかったから」とうれしそうに語る。「でも、夢はやはり夢で…」、地に足を付けてじっくり将来を見据えた結果、就職したのは九州電力株式会社だった。
 入社から5年は、社内システムの設計・運用・保守業務などに従事。仕事を通じて認められたいという気持ちが強く、いろんな仕事を任せてもらい、やりがいを感じていた。そんな中、28歳で結婚、29歳で出産。退職も考えたが夫の理解もあり、専業主婦だった母親の「これからの女性は働くのよ。私がサポートするから」という言葉にも背中を押されて、働き続ける道を選択。5年間で3人の子どもを出産し、育休を取って復帰した。

仕事と家庭に揺れたが、上司の一言に救われた

 出産は大きな転機となった。「それまで仕事に情熱を傾けていましたが、出産後は生活の中心が子どもという感覚になり、ずいぶん戸惑いました。仕事も育児も中途半端な気がして、非常にもどかしかったですね。同僚や子どもへの申し訳ない気持ち、納得いく仕事ができない悔しさで、逃げ出したくなったことも…。でも、まだやれると踏ん張り、育休を重ねるたびに、仕事や家庭との距離感をつかめるように。そして、仕事と家庭で重心が行ったり来たりするうちに、私にとってはどちらも大切で、なくてはならないものだと悟りました」。
 とはいえ、合せて3年以上育児で仕事を離れたことで、「同期から遅れを取り、もう期待されることはないだろうと勝手に虚しさを感じていた」と打ち明ける園田さん。ところが、3人目の子どもが3歳になり、育児がひと段落したころ、上司から思わぬ言葉をかけられた。「これからは、仕事も育児も頑張っている君のような人に会社でも活躍してほしい。チーフへの昇進試験に挑戦してみないか」と。「同期は30代前半で受験していましたが、私はちょうど出産・子育てと重なり、受けていなかったのです。もう追いつけないと思っていたので、声をかけてもらったことがとてもうれしく、心に火がつきました」。

先を見据えて続けていれば、道が開ける

 試験に合格し、38歳で管理職に。「自分の仕事の質を高めることに集中していた立場から一転して、管理職はチーム全体を俯瞰して、チームとしての成果を高めることがミッション。最初は不安でいっぱいでしたが、やってみると非常にやりがいがあります」。
 さらに5年後、ダイバーシティ推進グループ長に就任して、2か月が経った。「異動の話を聞いたときは驚きましたが、上司が『大丈夫、皆で考えるけん』と後押ししてくれたのが心強かった。最初の1か月はプレッシャーで眠れなかったけれど、早くも面白さを感じています」。
 同グループの使命は「誰もが生き生きと能力発揮できる環境を整えること」。そのために、社内セミナーやロールモデル情報の発信、施策の検討などを行っている。園田さんの強みは、自らの経験から考え伝えられることだ。「私のように仕事と家庭の両立に悩む女性は多いでしょう。育児や介護など、自分にとって一大事があれば、その時期は割り切ってそちらに重きを置いてもいいと私は考えています。その分、周囲への感謝を忘れず、十分にコミュニケーションを取ること。そうして細くでも頑張り続けていれば、また仕事に力を注げるときがやってくる」とまっすぐな眼差しで語る。「私自身、子どもが小さいころは視野が狭く、ひとりでカリカリしていたことも。もっといろんな人の働き方を見て、長いスパンで物事を捉えればよかったと反省しています。それから、女性が社会で活躍するためには、男性もこれまでの働き方やスタンスを見直し、誰もが働きやすい環境を整えていく必要があります。また、男女問わず新たな発想や視点を持つためにも、育児や介護等に取り組み、仕事以外の人生の領域を広げてほしい。私は、人生の最後に、一人ひとりが、“仕事も生活も充実したいい人生だった”、と振り返ることができるのがダイバーシティの意義だと考えています。皆さんが悔いのない人生を設計するための支援をしていきたいです」。 (2014年8月取材)

コラム

私の大切な時間

 園田さんの趣味は読書。「北九州への通勤時間は、本を読むのが楽しみでした。特にファンタジー系が好きで、上橋菜穂子さんの守り人シリーズにはまりました」。そして、何よりも家族と過ごす貴重な時間に元気をもらえるという。「娘とテニスをしたり、買い物に行って甘いものを食べたり。息子とは先日、映画を観ました。夫は単身赴任が多く、家族全員が揃う時間は短いのですが、その分、家にいる時は、子ども達の勉強を見たり、掃除・洗濯など、協力してくれています。相手が察するのを待つのではなく、言葉できちんと伝えることが大切ですね」と夫婦円満の秘訣も教えてくれた。

プロフィール

福岡市出身。九州工業大学情報工学部を卒業後、1993年九州電力株式会社に入社。社内システムの設計・運用・保守、社内の労務や福祉制度の運用などの業務に従事し、その間に3回の産休・育休を取得。2009年に管理職(業務部労務・福祉サービスグループ副長)となり、2012年に北九州支社の企画業務へ。2014年7月から現職。






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