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鶴田 貴豊(つるたきとよ)さん​ (2012年10月17日取材) ​ 

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NPO法人チャイルドケアサポートセンター 代表

頑張るママを後押ししたい!

 今年9月、北九州市小倉北区の商店街、魚町銀天街の一角に『魚町ママトモ』という施設がオープンした。施設では、子どもを自由に遊ばせられる親子サロン、一時託児、子ども用品の常設フリーマーケットなどが行われている。オープンからわずか4日で延べ425人もの人が訪れる人気ぶり。その仕掛け人、NPO法人チャイルドケアサポートセンター代表・鶴田貴豊さんを訪ねた。

半月で200人以上が利用する子育てサロン

 「オープンの時はいろいろとイベントもやったから、こんなに利用者があったのかな?」帳面を見ながらそう語る鶴田代表。それでも、10月も半月で235人が利用というから、ママたちの需要は高いと言えよう。鶴田さんが同法人を始めたのは自身が孫の子育てを手伝ったのがきっかけだ。娘さんは教師。当時はまだ病児保育の制度もなく、3人の子育てをしながら教鞭に立つのは並大抵な苦労ではなかった。「自分も正社員で働いていましたから、有給休暇を取ったりして手伝いました」。数年後、鶴田さんは仕事を早期退職することにした。「娘だけでなく、娘のように子育てしながら頑張っている人たちを助けたいと思ったんです」。
 退職後は、孫の子守りの傍ら、近所の人を手伝う「サポーター」として活動。この時、娘さんのように子育ての手助けを必要としている人たちが沢山いることが分かったと言う。共働き世帯が多い現代、もう一つ浮き彫りになったのは、小さな子どもを育てている人たちの親世代もまだ現役で働いているという事情だった。「私もそうでしたが、50代、60代といったら、皆さんまだまだ元気に会社で働いてますからね。近くに親がいても、子育てを手伝ってもらうということが難しい人も多いんです」。はじめは、知り合いの子どもたちだけを見ていた鶴田さんだが、何とか他のママたちも助けられないか、そう思うようになっていた。

社会復帰を目指す母親たちの葛藤

 平成15年、子育て支援を行うNPO法人を立ち上げることにした。こうして生まれたチャイルドケアサポートセンターには、毎日沢山の子どもたちがやってくる。「夫や近所の人からの協力があり、皆ほぼボランティアのような状態で手伝ってくれました」。その後、本部である小倉南区の自宅も改築し、保育士などの資格を持つ仲間とともに病後病児保育や、夜間保育の受け入れを本格的に始めていった。こうして働くママたちを支えてきた鶴田さんだが、様々な活動を通し、働くママだけでなく、休職中の母親たちも支援を必要としていることに気が付いた。「看護師の方などからよく聞いたのが、医療技術は日々進化して行く。お産で休んでいると、新しいことに追いつけなくなる気がするという話でした。復帰はしたいけど自信が持てないと言う話も聞きました。お母さんに少しでも自信を持って再出発してもらえたらと思ったんです」。そこで思いついたのが、託児付きの講座だ。本部と同じ小倉南区に『北方ママトモ』をオープンさせ、仕事に繋がるようにと、講師資格が取れる講座を託児付きで行っている。「資格を取っておわりになってほしくない」という思いから、習得した資格を生かせる場を提供、自信をつけてもらおうと言う狙いだ。働くママだけでなく、再度社会へ戻ろうとするママたちにとっても、「ママトモ」は強い味方となりはじめた。そして平成24年9月、もっと色んな立場のママたちが活用できる何かができないかと、ママトモ2号館ともいうべき『魚町ママトモ』を立ち上げた。

子育ての幅広いニーズに応える『魚町ママトモ』

 『魚町ママトモ』では、自由に子どもを遊ばせながら、親同士の交流を深めるためのフリースペース、ジェルネイルやベビーマッサージの託児付き講座、常設フリーマーケットなど、様々な試みを行っている。立地の良さから最近では、利用目的も広がり、“美容室に行く数時間”、“歯医者に治療に行く間だけ”の他、“ママ友とランチに行きたい”など、利用者側の事情はさまざまになってきた。こうして『魚町ママトモ』は多様なママ達の集まる場所となりはじめている。「本部も含めて、利用者はどんどん増えています。これ以上忙しくなったら困ったな」と言いつつも、笑顔を絶やさない鶴田さん。目標は、老人から子どもまでが集える施設を作ること。この笑顔で、これからも多くの親たち、そして地域を励まし続けることだろう。
                                 (2012年10月17日取材)

コラム

 仕事が全てになっているという鶴田さんだが、活動を始める前はママさんバレーのチームを作るほどのバレーボール好きだった。もちろん、小さい子どもも大好きで、孫と遊ぶのが一番の幸せだったそう。そのお孫さんも上から高2、中1、小学2年生。元気に育つ姿を見るのが、鶴田さんの活力の源になっている。

プロフィール

子育てを終えた後、総合建設業の総務部に正社員として勤務。平成14年、早期退職制度を利用して退職、平成15年、NPO法人チャイルドケアサポートセンターを立ち上げる。自宅を改築、本格的に病児・病後児保育、お泊り保育の受け入れを始める。2011年3月、小倉南区北方に『北方ママトモ』を設立、2012年9月、2号館として『魚町ママトモ』を始める。2015年からは、イベント時に一時託児を行う「出張託児」にも力を入れている。

 

 


 

 

 


キーワード

【た】 【NPO・ボランティア】 【子育て支援】

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