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李奈美(りなみ)さん

有限会社オールフーズ 代表

「フードコーディネーター」という職業の確立から料理の演出で目指す「私らしさ」へ

 「もともと食べることがすごく好きなんです」。
 李さんは、大手外食企業に勤めたのち、自分の自由な表現の場を求めてフードコーディネーターとして独立。フリーランスとして7年間キャリアを積み、有限会社オールフーズを設立しました。起業するための300万円は全部フリーの時から貯めたそうです。資金も必要ですが、「始めに物ありき」のフードコーディネートの仕事にとって、調理器具などへの投資も欠かせません。当時、1本3~5万円のギャラから、生活と仕事への投資をしつつの資金繰りでした。
 今でこそ、華やかな職業として注目されつつあるフードコーディネーターですが、10年前の当時、「職業として専門的に起業までしたのは私が初めてだったのでは」と李さんは語ります。

フードコーディネーターという職業が認められるために

 職業自体の歴史が浅いことや、東京などと違って知名度の低い福岡での起業だったこともあり、最初のうちは、言われたとおり忠実に料理を並べたり、頼まれた仕事はとにかく全て引き受けたりしていて「悔しかった」と言います。また、表現したいものすべてを表現できなかったり、表現できても作品が評価されなかったりして「やめたい」と思うこともありました。そんな李さんが中途半端にならずにやってこられたのは、フードコーディネーターという職業を社会的に専門職として認知してもらいたいという思いがあったからだと言います。自分が仕事をすることでフードコーディネーターという職業の地位が向上してほしい。李さんはそんな気持ちから、「悔しい」気持ちも「やめたい」気持ちも乗り越えて仕事を続けてきました。

センスと努力で"自分ブランド"の確立を目指す

 独立して10年目になる李さんですが、依頼される仕事を自分で選び、時には断ることもできるようになったのは、1年ほど前からだと言います。そうして自分らしさを出せる仕事ができるようになった反面、自分が人に値段をつけてもらえるような仕事をしているかどうかはより重要なことになってきます。人に評価されなければ他の人に仕事が回ってしまう、実力重視の世界だからです。特にフードコーディネートの仕事は、演出するテーマは決まっているものの、実際の商品を目にするのはその場であったり、料理を作る時には素材から自分で集めなければならなかったりするため、その人の「センス」が問われます。
 「センスって言うのは人に教えられた結果じゃなくて、才能。それを使った自分の自分にあった仕事に出会ったとき、人は人の成し得ない世界を作り出すことができるんです」。
 適職に出会えた李さんですが、もちろんセンスや才能だけでやっていける仕事ではありません。出会えた後は、自分の才能にあった仕事を認めてもらえるための「努力」が必要です。
 「撮影の場合は、ひとつのものを演出するのに3~5倍のイメージをするんです。そのために必要なものを事前に買ったり借りたりして集めて、撮影後に返却する。そういう目に見えない作業が多いですね」。
 そのほかにも、いかに人間関係を円滑に進めるか、与えられた課題と制約の中でいかに表現して人に買われるものに仕上げていくかなど、自分のセンス以上にすべきことがたくさんありました。こうして今までの10年を過ごしてきたと言う李さんですが、これからの10年は「私らしさ」を築いていく時期だと言います。
 「これからは、私が作った作品を見て『これは李さんらしいね』って言われたり、『これは李さんに頼もう』って思い出されたりするような仕事をしていく時期ですね。そんな"自分ブランド"を確立することが仕事を一番長く続けていける方法ですから」。これからは人に認められ、自分も満足できるような“自分ブランド”を築いていくことに期待が膨らむ李さんです。
(2005年12月取材)

プロフィール

大手外食企業退職後、1994(平成6)年フードコーディネーターとして独立。7年間フリーランスとして働き、2001(平成13)年に有限会社オールフーズを設立。
フード企画、プラン、レシピ作成から作品の演出、制作までのすべてをプロデュースする。主な作品に、やずや、ほっかほっか亭、キリシマハム、ニビシ、丸美屋、グリーンコープ専任フードコーディネーターなど他多数。






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