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畠中 五恵子(はたなかさえこ)さん

有限会社 畠中育雛場 代表取締役、獣医師

 

消費者の疑問に答えるために

 「おたくの卵は生で食べられますか?」
 今から10年程前に受けたこの質問に、畠中さんは衝撃を受けます。家庭にパソコンが浸透し始めた頃、パソコン通信を始めた畠中さんは、インターネット上で、「農と食のフォーラム」という集まりに参加し、消費者と生産者の間で意見のやり取りをしました。そこで、都会に住む消費者から、「おたくの卵は生で食べられますか?」という質問を受けたのです。生産者である畠中さんは、消費者が卵を生で食べることに対して不安を持っているという事実を全く知らなかったのです。この時、生産者と消費者の間にあるギャップを埋めなくてはいけないと強く思います。
 畠中さんは、高校生の頃、理系が得意で動物好きだったこともあり、獣医学部へ進学します。平成2年に、父親が経営する育雛場に入社し、ヒナの飼育や管理等、現場の仕事に携わります。平成5年に双子のお子さんを出産した後は、子どもを保育園に預け、主に事務所内での仕事を務めました。
 その頃、会社では、直売店舗を構えることになります。その時に、『消費者はおいしくて安全な卵をどこで手に入れられるか知りたいと思っている』ということを、インターネットで知った畠中さんは、そのニーズに応えたいと、インターネットを利用した広報活動と販売を思いつきます。そして、販売のための準備を進めていきました。

インターネットのショッピングサイトに出店!

  平成10年9月、インターネット上のショッピングサイトに、卵と米の販売をする「筑前飯塚宿 たまご処 卵の庄」を出店しました。そこで卵の安全性について情報発信をしながら、更に卵のおいしさを伝え、喜んでもらうために、卵を使ったお菓子の製造販売へと夢を広げていきます。
 まず、製菓について、雑誌やインターネットで勉強をしました。そして、雑誌で目にした業務用オーブンの製造会社が、通いなれた道沿いにあることを知った畠中さんはその会社に飛びこみ、「最高の卵を使って、おいしいお菓子を作りたい!」という熱い思いを伝え、菓子作りの工房は形になっていきました。それからは、社員の方たちと一緒にお菓子作りの研修に参加したりしながら、毎日お菓子作りの研究に励みました。そして2ヶ月後、お菓子の販売を始めることができました。ネットショップの主役はもちろん卵ですが、今ではお菓子も大人気商品となっています。

畜産の大切さ

 多くのものがあふれる現代、食のありがたさが失われかけています。畠中さんは、平成18年、「全国畜産縦断いきいきネットワーク」での活動を始めました。このネットワークは、平成17年7月に発足した、畜産に携わる女性のネットワークで、畜産業に携わる女性が、子どもたちに命の大切さや食のありがたさを伝える食育や、消費者との交流、生産者である会員同士の意見交換などを通して、畜産の大切さを伝えようとしています。畠中さんの夢は、更に幅広い交流へと広がっていきます。

これからの夢とメッセージ

 畠中さんの座右の銘は、『人間万事、塞翁が馬』です。「人生では、思いがけないことが幸福を招いたり、不幸につながったりしますが、それは誰にも予想がつかないものなので、必要以上に喜んだり悲しんだりしても始まらない」と、畠中さんは言います。「何かにチャレンジするとき、くよくよ思い悩むのではなく、まず行動してみて、そして悩めばいい」とも。また、失敗を失敗のまま終わらせることはありません。失敗したとき、その失敗から多くのことを学び、次へと繋がるステップにしていきます。そうすれば、長い目でみたとき、失敗はもう失敗ではなくなり、苦労も苦労ではなくなると考えます。
 畠中さんは、とても明るく前向きな女性です。これからも、そのエネルギーで、食の大切さや日本の畜産の重要性、生産者の思いを伝える活動を続けていきます。
(2007年3月取材)

プロフィール

飯塚市出身。鹿児島大学農学部で獣医学を学び、修士課程を経て、平成元年に獣医師免許を取得。
1年間、福岡県職員を務めたあと、平成2年に㈲畠中育雛場に入社し、後継者の道を歩み始める。
インターネット楽天市場に、「筑前飯塚宿 たまご処 卵の庄」を出店した後、企画・広報を担当、おいしく安全な商品と、「楽天アイデア賞」を受賞する様々なアイデアで、お客様を惹きつける。平成18年から「全国畜産縦断いきいきネットワーク」会員。平成27年、第14回福岡県男女共同参画表彰「女性の先駆的活動部門」受賞。






キーワード

【は】 【農林水産】

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