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川村 倫子(かわむらともこ)さん

農事組合法人宝珠山きのこ生産組合 研究・営業担当

きのこの大きな可能性を信じて、一生の仕事に

 

きのこに惹かれ、薬学部から農学部へ方向転換

 福岡県南東部に位置し、平成の名水百選に選ばれた清冽な水と清浄な空気に恵まれた朝倉郡東峰村。人口およそ2,500人ほどの小さなこの村に、福岡県を代表するきのこ栽培法人がある。それが農事組合法人『宝珠山きのこ生産組合』だ。
 「シイタケをこれほどの規模で栽培しているのは、福岡県でもほとんどないと思います。おかげさまで、県からシイタケ栽培といえば“宝珠山”だといわれるようになり、視察要請も増えてきました」。そう語るのは、3代目代表の父をサポートし、きのこ栽培の研究・開発や渉外などさまざまな重職を担う川村倫子さんだ。
 きのこの魅力に惹かれ、「これからもこの道を…」と断言する川村さんだが、もともとは薬学部志望。製薬会社で活躍することをめざし、受験勉強に明け暮れていた。そんなある日、宮崎大学の博士課程で学んでいる人からきのこには優れた薬効があることを教えられ、薬学部から農学部へ方向転換、1998(平成10)年に宮崎大学農学部へ入学する。
 実家がきのこ生産法人という環境に育った川村さん。しかし、将来、東峰村へ戻ることは考えていなかったという。

研究者の知識と経験を擁して故郷へ

 学ぶほどにきのこの不思議な力に魅せられ、大学の4年間はあっという間に終わる。しかし、向学の思いはさらに旺盛になり、迷うことなく大学院へ進学。そこで2年間の修士課程を終えた川村さんは、一度は就職の道を選ぶ。東京の製薬会社から内定を受けて安堵するが、一方で就活の毎日の中で、本当にやり残したことはないのだろうか…と自問をするようになった。
 「当時、薬用きのこの研究をしていましたが、思うような研究成果を上げるところまではいっていませんでした」。研究を離れると、2度と戻ることはできなくなる。悩み抜いた末に出した結論が、鹿児島大学大学院で博士課程を学ぶことだった。
 大手企業の内定を蹴ってまで入った博士課程の研究生活。しかし、これが川村さんの目を社会に開かせることになる。研究2年目、きのこの持つ可能性を確信し、研究に閉じこもるよりも、きのこの素晴らしさを広く伝えたい。いいものを作って、人に喜んでもらいたいという気持ちを抱くようになった。
 そして2007(平成19)年、培った知識と貴重な経験を活かすべく実家へ…。川村さんの新しい歩みが始まった。

夢は福岡県を代表するきのこブランドを作ること

 『宝珠山きのこ生産組合』へ入社して4年。栽培をはじめ商品開発や渉外部門の責任者として活躍する川村さんだが、どうしても成し遂げたいことが2つあるという。ひとつはある種のきのこ栽培。そしてもうひとつがきのこを使った加工品の完成だ。
 「きのこの栽培はまだ実験段階ですが、加工品については、ほぼ完成間近です。その中には、一昨年に東京の高島屋百貨店で大九州展が催された折りに出品し、大好評をいただいたものもありますが、今回は佃煮やお菓子類などラインナップを充実させました」。
 5月のゴールデンウィーク前に、きのこの直売と加工品を販売する店舗をオープン予定だが、「単なる物販店舗ではなく、地域活性や情報発信の拠点として人が交流する場にしたい」と位置づけ、地元農家との提携も模索中。丹精込めた加工品にどんな評価が集まるのか注目したい。
 かつて薬学をめざした女性は、さまざまな出会いと気づきを得て、きのこと歩む人生を選択。そんな川村さんは、「組合の規模拡大を追いかけず、真摯に価値を高めていきたい。この村で、福岡県のきのこブランドを作りたい」と力強く結んだ。
(2011年3月取材)

コラム

近い将来、レストランを開きたい

 食べること、料理することが好きで、お休みには情報収集を兼ねて食べ歩きに出かけます。今回はきのこ直売と加工品販売の店舗の開店を予定していますが、近い将来には第二弾として、きのこをおいしく召し上がってもらえるレストランの開業を考えています。
 ヘルシーでおいしい食材のきのこをたっぷりと楽しんでいただきたいですね。

プロフィール

 1998(平成10)年宮崎大学農学部へ入学。2002(平成14)年同大学卒業後、同大学大学院農学研究科へ入学、2年間の修士課程を終え、2004(平成16)年に鹿児島大学大学院連合農学研究科へ入学(生物生産科学専攻)。2007(平成19)年3月に同大学院を自主退学。同年6月1日に農事組合法人「宝珠山きのこ生産組合」へ入社。研究・開発および渉外、企画の責任者として現在に至る。2008(平成20)年農学博士号を取得する。






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