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松下 一美(まつしたかずみ)さん (2006年1月取材)

【ロールモデル】
ロールモデルとは

託児ボランティア「わらんべの会」 会長

0歳から100歳までの人々にボランティアを

 

ボランティアとの出逢い

 わらんべの会は、日本で初めて設立された託児ボランティアの会です。その会長を務めているのが、松下一美さんです。中学校の教師をしていた松下さんは、退職されたあとも福岡県が行っていた3歳児までの教育指導の事業に携わっていました。そして昭和52年、北九州市が募集した「ボランティア」に応募をし、「ボランティアとは何か」ということについて一生懸命勉強しました。 ボランティアには中学校教師の頃から興味がありました。
 3歳児までの教育指導に関わっていた経験から、託児ボランティアの必要性を感じ、同じく昭和52年10月に「わらんべの会」を発足。松下さんの自宅を事務局にして、電話での依頼を受けて組織に連絡し、役所にも届け出を出してからボランティアを行います。現在27名のメンバーは、女性の方がほとんどですが、男性会員も活躍されています。
 託児に参加する人達は、「子育てをしたい人や、もう一度子育てに関わりたい人、子どもが好き」という人が多いそうです。また、わらんべの会では、託児ボランティアだけではなく様々な活動も行っています。「幼児・老人・障害者を中心に、0歳から100歳までの人々にボランティアをしよう」ということを目標にしています。現在でも、月に1回は勉強会を開き、日々成長していく精神を忘れません。

基礎をしっかりと、そして日々自分を磨くこと

 長年の託児ボランティアの経験と熱意から、今年で10周年目を迎える北九州市立男女共同参画センター「ムーブ」で開所当時から、託児グループ「カンガルークラブ」を立ち上げ、その代表者も務めておられます。カンガルークラブでは、子育て中の女性がムーブでの学習や、研修事業に積極的に参加できるようにボランティアで託児を行っています。生後6ヶ月から就学前までの子供を預かっており、1日約15の子供を5人のサポーターで預かっています。
 現在は、約43人のサポーターの方が活躍されています。松下さんのように、小学校や中学校で先生をされていた方も多くおられます。サポーターになるには、子供の発育・心理・病気・遊びやボランティアについての講座を受け、子供についての一般知識をしっかりと学んでからではないとなれません。そして、実際に幼稚園にも実習に行きます。やはり、大切なお子さんを預かるということは、誰にでも簡単に出来ることではありません。
 松下さんは、こう言います。「一つのことをするには、基礎が大事になります。まず、基礎をしっかりと身につけ自分のものにし、それから応用していく。見様見真似では、長続きはしません。また、日々自分を磨き、自信をつけるということも大事ですね」活動していて嬉しかったことは、子供と心が通じ合った時だと語られました。
 1日の託児も終わり、子供が「楽しかった」と笑顔で言ってくれた時は「きつかったけど頑張って良かった。無事、事故もなくて良かった」と辛かったことも喜びに変わるそうです。大変なことは、子供一人ひとりがそれぞれ全く違うので、それを見極めることです。やはり、子供を観察する力が必要になってくると言われます。

夢を持ち、計画を立て実行する

 松下さんに、託児ボランティアをする三つのポイントを教えてもらいました。「1.にこやかな笑顔 」「2.優しい言葉」「 3.優しいまなざし」。託児は、必ずこの三つが大切になるそうです。「これからも、健康であって体の続く限り、生涯学習として多くの人と触れ合うことが大切だから、社会奉仕の気持ちを忘れず、進んでボランティアに参加していきたい」とにこやかに笑って応えられました。
 最後に、これから進学や就職、また自分らしく生きるために活動しようとしている人に「自分はどんな実技があるのかを知り、自分の得意な面を生かすために深く勉強することを目標にしてください。勉強をすると精神的にもゆとりが出来ます。何年後かに笑って友達や先輩に会えるように・・・」と夢を持ち、計画を立て実行する意義を語って下さいました。子供からお年寄りまでたくさんの人々から慕われ、必要とされている松下さん。今後も、そんな松下さんの心優しい活動がますます多くの人々をあたたかい気持ちにしていくことでしょう。
                                    (2006年1月取材)

プロフィール

中学校教員を退職後、福岡県が行っていた3歳児までの教育指導の手伝いをする。昭和52年、北九州市の「ボランティア」に応募。ボランティアについて勉強する。昭和52年10月、全国初の託児ボランティアの会「わらんべの会」発足。また、北九州市立男女共同参画センター「ムーブ」開所当時より代表者として託児ボランティアグループ「カンガルークラブ」でも活躍している。

〈これまでの歩み〉
中学校教師を退職後も、福岡県が行っていた3歳児まで教育指導の事業に携わる。
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昭和52年、北九州市が募集した「ボランティア」に応募をし、3ヶ月間「ボランティアとは何か」について勉強する
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託児ボランティアの必要性を感じ、日本で初めて託児ボランティアの会「わらんべの会」を昭和52年10月に発足
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平成7年北九州市立男女共同参画センター「ムーブ」開所当時から託児グループ「カンガルークラブ」を立ち上げ、代表となる。
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「幼児・老人・障害者を中心に、0歳から100歳までの人々にボランティアをしよう」ということを目標に、月1回の勉強会を開き、日々成長されている。

 

 

 

 


 

 

 

 

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【ま】 【NPO・ボランティア】

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