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西村 瑞枝(にしむらみずえ)さん

ボランティア団体『ひなたぼっこ』 代表

みんなの笑顔が私の喜び

 

天命と出会ったとき

  「落款(らっかん)は命がけで押すものよ…」。絵手紙ボランティア集団『ひなたぼっこ』代表、西村瑞枝さんが諭すように声をかけた。落款印は、自己の作品に対して心を込めたことの証しであり、絵手紙に生命を吹き込む最後の儀式でもある。どこに印を押そうかと迷っていたメンバーの心が定まったとき、西村さんの顔に笑顔が戻った。
 四季折々の花鳥風月を題材にした和らいだ絵に言葉を添え、ご近所に配っては喜ばれていた絵手紙を西村さんが本格的に始めたのは、パートナーの入院がきっかけだった。病は脳出血。毎日のようにマッサージなどで献身的な看病を続けるかたわら、少しでも心が和むようにと絵手紙を描いては病室に飾ったり、看護師さんや他の患者さんへ贈ったり…。いつしか院内で評判となり、描かれた絵手紙は病室からナースセンター、食堂、さらには隣接するデイケアセンターにまで広がっていった。
 「私のささやかな楽しみの絵手紙が、こんなに多くの人様に喜んでもらえるなんて」。このとき、西村さんは絵手紙ボランティアという天命と出会った。

絵手紙が紡ぐ縁の広がり

 絵手紙に触れたり、贈られたりしたことで「私にも教えてほしい」「ぜひ参加したい」という声が日増しに大きくなり、西村さんは絵手紙教室を主宰する。
 「最初は春日市のクローバープラザが教室の中心でしたが、人が人を呼んで郵便局や青少年センター、小学校など県内に10ヵ所余りの教室ができました」。メンバーたちと絵手紙を創作しては、病院や高齢者施設、子ども病院、ホスピスなどに贈る活動の日々。     
 そんな中、2000(平成12)年にはボランティア組織『ひなたぼっこ』を立ち上げて代表へ就任。さらに2009(平成21)年、西村さんは(公社)福岡県高齢者能力活用センターの情報誌にて『福岡県内のはつらつと輝く10人』として掲載された。
 また、絵手紙の紡ぐ縁はいっそうの広がりを見せ、ねんりんピック参加そして春日市長との懇話会参加や春日市社会教育委員就任へとつながっていった。もちろん、こうした協力・参加もすべてボランティアの一環。「何かをしてもらうのが当たり前という風潮が目につきますが、特に若い人には無償の行為の中にある尊い価値に気づいてほしいです」。無償を貫いてきた西村さんの言葉に重みが滲む。

雅号の如く、弛まずひとつの道を歩む

 絵手紙教室の主宰、施設へのボランティア活動、公職への参加…。忙しさが加わるばかりの西村さんの手帳に目をやれば、2月のお休みはわずか2日間のみ。  
 「絵手紙がくれた縁のおかげで私は人に恵まれ、周りに育てていただきました。みんなの笑顔が私の喜び。天命に生きているから疲れなんてありません」。とはいえ、もし叶うならパートナーのために1時間、母親のために1時間、そして自分の勉強のために1時間。「あと3時間の時間があれば…」と願う。
 現在、教室には男性も4~5人参加しているというが、女性の意見や考えを理解できるようになり、パートナーへお茶を出してあげたり、ゴミ出しをするようになったりと、以前より協力的になれたとのこと。これも、絵手紙のなせる縁だろうか。
 西村さんの雅号は『休休(きゅうきゅう)』。これには、ひとつのことを弛まず一途に続けるという意味があるという。2010(平成22)年度の春日市市民文化活動賞を受賞した『ひなたぼっこ』。主宰の西村さんは、きょうも休休としてボランティアに励む。
(2011年2月取材)

コラム

日々、これ勉強

 「いかに優れていても、人間が出来ていなければ仕方がない。大事なのは世間になくてはならない人になること。ほかの人に出来ないことをしなさい。それによって己の道がひらかれる」。これは、私がとても大切にしている言葉です。人生は、日々、これ勉強。人、書物、自然…。周りのすべてから学ぶことができます。 

プロフィール

神戸市生まれ。子育て中に家でもできる仕事として、自宅で着物の着付け教室を始める。その後、絵を入れた絵手紙を描き始める。それが好評となり、老人ホームや病院、ホスピス等に送るボランティア団体『ひなたぼっこ』を設立。春日市、福岡市を中心に、絵手紙の楽しさを老人ホームやデイケアセンター等へ出前教室をボランティアで行なっている。






キーワード

【な】 【NPO・ボランティア】 【文化・芸術/伝統工芸】

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