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山嵜 美千代(やまさきみちよ)さん

【ロールモデル】
ロールモデルとは

株式会社西日本シティ銀行 人事部人事グループ副調査役

求められている場所で頑張ることが自身のためになる

 

就職は縁

 山嵜さんは元々、金融業界を目指していた訳ではなかった。「当時は大学を卒業した女性の採用が少なく、学校推薦でたまたま募集があったのが西日本シティ銀行だった。ただ、学生の自分には、銀行はノルマが厳しいのではなどといったネガティブなイメージがあり、当初は全く志望していなかった」と語る。それでも、内定を得たときに「ご縁があった」と思い入行した。
 ネガティブなイメージを捨て、やりがいを感じるようになったのは、入行4ヵ月目に、決められたエリア内の企業や地方公共団体の職員向けに営業を行う「職域営業」という仕事に就いてからだ。初めは、学生の身では触れたことのなかった額の金額目標に戸惑い、何をすればいいのかも分からなかった。しかし、近隣支店の先輩に励まされ、色々教えてもらいながら営業するうちに、期末には目標近くまで迫れていた。「目標は達成できなかったが、やればできると実感できたことが良かった。加えて、お客様との一生の付き合いになる職業だと気が付いてからは、仕事に前向きに取り組めるようになった」と山嵜さんは語る。

「両立」でなく「切り替え」で何とか乗り越えてきた

 このように仕事にやりがいを見付けた山嵜さんは、1996(平成8)年に育児休暇を取得した。当時のことを、「半年も休んだら、仕事に戻りたくなった」と振り返る。それは、「できるだけ自由に生きるために、自分で収入を得ておきたかった」。
 とはいえ、仕事へ復帰する前は不安も大きかったと言う。それを解消したのは、上司や同僚、家族の支えと理解、そして、既に育児休暇を利用した後輩の「とりあえず3ヶ月頑張ってみたら大丈夫」という言葉であった。それからは、あまり先を見過ぎないようにして、短いスパンで子育てを考えるようにした。
 「自分でも仕事と子育てを両立できたとは思っていない。ただ、職場と家庭との気持ちの切り替えを上手くコントロールしようと努めたので、何とか今まで続けて来られた。育児休暇復帰までに、子どもの病気などに備え、行政サービスを含め二重三重に準備しておく必要があるが、あとは経験が工夫を生む」と語る。

男女共に働きやすい環境を

 現在の人事部という部署は、お客様と接する機会はほとんどなく、社内向けの仕事である。新たなやりがいを尋ねると、「採用したり、新しい部署に配属した行員が、適材適所で頑張っている姿を目にしたときはやりがいを感じる」と語る。その上で、「人事は公平に行う事が重要。全員が満足することは難しいが、できる限り公平な人事を心がけたい」と山嵜さんは言う。人事という仕事に就いて4年目になるが、今でも日々勉強中とのことだ。
 最後に、山嵜さんに今後の課題を伺ったところ、「仕事と家庭の両立を支援するため、育児休暇や短時間勤務などの制度の周知徹底や、お互いが理解し協力し合う体制づくりが必要。また、制度を充分に活用してもらい、さらに女性が活躍できる職場にし、女性も積極的に管理職に登用したい」と答えた。加えて、「現在の両立支援制度を定着させることで、これからの高齢化社会に向けて、男女問わず働きやすく、働きがいのある会社へとしたい」と語る。
(2011年2月取材)

コラム

ポジティブでありたいといつも思っている

 山嵜さんは「人間万事塞翁が馬」という言葉をモットーにしている。「一見、悪く見える事でも、将来良いことになるかもしれない。だから、何事にも前向きに取り組みたい」と語る。また、周囲の支えがあったことで仕事が続けられたこともあり、現在では、上司として、また、子育ての先輩として、制度活用や人事に関する相談を受けている。

プロフィール

北九州市出身。1984(昭和59)年入行。戸畑支店での内務事務を経て、同年8月からは職域営業を担当。その後、本部での勤務を経て1996(平成8)年に育児休暇を取得。育児休暇復帰後は、コンプライアンス体制の整備・管理を担当し、2008(平成20)年4月から現職。人事運用全般に携わる。

 

 

 

 


 

 

 

 

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