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ふくおか女性いきいき塾③ 今のままでいいの? 働き方改革

ふくおか女性いきいき塾、第3回目の講義は「働き方改革」。
アパショナータ,Inc.代表で、 ダイバーシティ&ワークライフのコンサルタントの
パク・スックチャさん。

    日本の一番大きな変化というのは「少子高齢化」です。少子高齢化により労働人口が減少し、年金受給開始年齢が引き上げとなると、私たちは70歳まで働き続けられる体力と能力が求められます。そのため、肉体的にも精神的にも知的にも、健康を維持する活動が必要となり、これがワーク・ライフ・バランスだと思っています。

    少子高齢化のもう一つの影響として、人口減少による「売り上げ減」があります。今まで企業は、「売り上げ拡大」を重要視してきましたが、これからの縮小社会では「利益率確保」、つまり、質を高めて付加価値を提供していくことが必要です。そのためには、長く働くのではなく、賢く働いていくことが必要になっています。ILO(国際労働機関)が2000年に先進国を対象に労働時間を調査したところ、日本が一番長く働いています。



      しかしIMD(国際経営開発研究所)が発表した国際競争力ランキングでは、日本は調査が始まった1989年は1位、2014年発表分では21位まで落ちています。つまり、戦後から80年代までは、きらびやかな「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の時代で、労働時間と売り上げが正比例し、長時間労働になっていました。これがビフォーIT(アナログ時代)です。

      90年代以降(デジタル時代)、IT革命による産業構造の変化の中で、海外はITに対応するために働き方を随分変えていきました。しかし日本は、今までの長時間労働が通じなくなり、どうしたらいいのかわからなくなったというのが、この失われた30年です。

      アナログ時代というのは、いろいろな変化がスローで連続的でした。一方、デジタル時代ではとにかく変化は速いし非連続的で、1時間でこなせる仕事の密度が濃くなってしまいました。密度の濃い仕事を長時間はできません。

      集中して、休んでというメリハリのある働き方が大切です。また働きながらも同時進行で家庭責任を果たし、運動もし、そして学んでいくという自己投資をしないと、個人も、そして会社も生き延びられません。今の時代、社員の質が直接会社の質です。社員が肉体的にも能力的にも維持向上できる時間があるということが、実は会社にとってもプラスになっていきます。そのためにも働き方を変えることが重要です。


        今、女性活躍とよく言っていますが、女性の労働者は日本でも45%近くいるのに、管理職となると、たった11%になります。また女性社員の活躍を推進する上での課題で必ずトップのほうに「育児・介護等の家庭責任に配慮しなくてはいけない」が出てきます。日本では、育児支援を充実した結果、女性の育休取得率は86%と非常に高くなっています。女性は1年程度育休を取り、時短勤務で戻れるというような状況になりました。一方、男性は2.3%しか育休をとっていない、とっている人もわずか数日です。

        アメリカやアジア諸国など国際競争力ランキングが高い国では、育休が短く、時短がない国もあり、女性が出産や時短で長く休むことなく活躍しています。これは、アメリカでは夫が家事を分担しており、アジア諸国では、子育てにベビーシッターや親族の支援を受けやすいという背景があります。一方、日本は、夫の家事時間が海外と比較して極端に短いので、妻が一人で仕事、家事、育児のほとんどのことをやらないといけなという三重苦を負います。

        産前産後の休みが短く、夫も家事・育児をやっているアメリカで、企業が一番成功したと思うワーク・ライフ・バランスの取組は「柔軟な勤務形態」です。欧米の男性が家庭責任を果たそうとする時は時短ではなく、キャリアに影響のないフルタイムでの柔軟な働き方が選択されます。

         女性への両立支援だけでは、男女の役割分担を強化してしまいます。女性の活躍のためには、まずは長時間労働の是正、フルタイム正社員の働き方の柔軟性の推進、時間の長さではなく成果での評価、男性がしっかりと子どもたちと関ることができる両立支援の充実だと思います。


          タイトルふくおか女性いきいき塾③ 今のままでいいの? 働き方改革
          開催日時 2016年8月27日(土)

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