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ふくおか女性いきいき塾① 今なぜ大切なの? 男女共同参画

【訃報】 講師の林先生は、平成28年11月21日にご逝去されました。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

ふくおか女性いきいき塾、第1回目の講義は「男女共同参画」。
宮崎公立大学学長の林 弘子さんを講師にお迎えしました。

     世界経済フォーラムが、毎年発表している各国における男女格差を測るジェンダー・ギャップ指数によると、2015年の日本の順位は、145カ国中101位。皆さんが思っておられるよりずっと低くなっています。この指数は、経済、教育、政治、保健の四分野のデータから作成されていますが、日本が特に低いのが政治、経済の分野です。日本の女性の政治参画は104位、経済参画は106位、これはアジアの国々中でも低く、国会における女性議員がもっと増えなければ、性差別を撤廃する法律の制定も進みません。
     
     日本国憲法は、性差別を禁止しており、労基法4条は、男女同一賃金原則を規定しています。1985年に男女雇用機会均等法(以下、均等法)が制定され、雇用における賃金以外の男女差別が段階的に禁止されました。同じ年に制定された労働者派遣法は、それまで、職安法や労基法で禁止されていた労働者派遣を合法化し、女性の働き方に、大きなインパクトを与えた法律です。結婚や妊娠・出産等を理由に退職する女性を非正規労働者である派遣労働者として雇うことを意図した法律で、その後の非正規女性労働者の増加に大きな影響を与え、1985年は日本の労働市場の大きなターニングポイントだったと思います。



       現在、日本の雇用差別の中心になっているのは男女差別ではなく、雇用形態差別です。均等法が制定された直後に、会社ではそれまでの「男性職」「女性職」を「総合職」「一般職」という性中立な名称に変えて、男性を総合職、女性を一般職とするコース別制をとる企業が増えてきました。住友、岡谷、野村のような有名な大手企業における男女別コース制度の違法性を争う裁判が女性労働者によって起こされましたが、憲法の趣旨には反するが違法ではないという理由でほとんどの女性労働者が敗訴しました。いずれも高裁で和解しています。これらの裁判を契機に、女性を正規社員ではなく非正規社員――パート、派遣、契約、嘱託等として雇う企業が増えて、女性の非正規化が進みました。均等法制定前年の1984年には、男性労働者の92.3%、女性労働者の71%が正社員でした。

       私たちは均等法が制定されれば、職場における男女平等が進むことを期待していたのですが、現実に進んだのは女性の非正規化で、2014年には女性労働者の63.6%が非正規になりました。賃金を男女合計で見ると、正規は年平均321万円、非正規は205万円(2015年)です。200万円はポバティライン(貧困線―それ以下の収入では最低限度の生活も維持できないと考えられる統計上の境界線)で、年収200万円未満の労働者の数は1,000万人を超えています。性差別の問題よりむしろ雇用形態差別の方が所得の格差に与える影響が大きくなり、生涯所得格差も大きくなっています。日本では性差別の違法性が法律や裁判で明確にされないまま、非正規社員の女性労働者が正規社員を上回るようになり、非正規化は男性にも確実に進んでいます。
       

       最近、安倍政権が「女性活躍社会」や「一億総活躍社会」という言葉を使っているのを耳にされた方も多いと思います。2015年8月成立・施行された、女性活躍推進法によって、従業員301名以上の企業と雇用主としての国や自治体は、2016年3月31日までに女性の活躍推進に向けた行動計画の策定と公表が義務づけられていました。また、一億総活躍プランは2016年の5月に閣議決定され、正規社員と非正規社員の賃金格差を是正することが主要な目的の一つに挙げられています。つまり、男女間のみならず、正規と非正規の間の同一労働同一賃金の原則を実現するために、労働契約法、パートタイム労働法、労働者派遣法の三つの法律を一括して改正することが予定されています。正規労働者においても非正規労働者においても男女間の賃金格差は、解消されていません。まず、男女同一労働同一賃金、その上で、正規・非正規労働者間の同一労働同一賃金の原則が確立される必要があります。

        タイトルふくおか女性いきいき塾① 今なぜ大切なの? 男女共同参画
        開催日時 2016年7月16日(土)

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