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大学連携・若年者スタート応援事業・(福岡地区) シリーズ働くを考えるvol.1  

近年、就職難や非正規雇用化、貧困化、未婚化といったキーワードで語られる社会のなかで、不安を抱えている若者が増えています。これから社会人となる若者を応援するプログラムがスタートしました。その第一弾としてのキックオフ・シンポジウムでは、女子学生のキャリア選択について考えることにしました。
「子育てと親の期待」の演題で長崎活水女子大学健康生活学部子ども学科教授石川由香里さんに、続けて「若者の地域移動とキャリアを考える」の演題でお茶の水女子大学総合学修支援センターリサーチフェロー 中島ゆりさんに講演をいただきました。
石川さんの講演は、親の子どもへの期待は、親の生活保障としての『投資財』から今は子育てそのものを楽しむ『消費財』へと変化し、育てる楽しさがある女の子を望む声が多い。女の子にはピアノ男の子にはスポーツが代表的な習い事で、男の子には4年制大学進学を希望しており、進学先は親の収入により地元か地元以外かに分かれるが、女の子には進学・就職・結婚に関しても地元を望んでおり、介護の問題についても性別による違いがあるというものでした。
中島さんからは、都道府県によって大学数の格差があるため地元を離れて進学・就職の場合もあるが、地方により女性は地元に残る文化があると報告されました。
続けて、女子学生さん2名に登壇頂き講演の感想と意見を発表頂きました。ともに親からは地元を離れる進学や就職を強く反対されており、「本講演を聞きその理由が理解できました。けれど、親に逆らえない子もいるし、抑圧された環境もある。家庭のことを他人に話すには後ろめたさがあり、個人で解決するしかないですよね。」と語りました。
二人に対し、『個人的なことは社会的なこと( personal is political)』 というスローガンが第2波フェミニズム運動の中で打ち出され、女性たちが集まり、「実は私も同じような悩みを持っている」とみんなが打ち明け始めたという経緯が説明されました。また、講師からは「個人の問題だと思わず色んな考えに触れよう。親に逆らえない人、逆らえた人、困っている人など、同じ悩みを話し合える場(ネットワーク)を作ってほしい。」という話がありました。会場の女子学生も「母親とは服や化粧品を共有している。習い事、進学などすべての選択を親に任せてきた。地元から離れることを望まない母を裏切ることを想像するだけで反応が怖い」と思いを語りました。
「母親は娘がいなくなることを不安に思っている。母娘の葛藤があって当たり前。けれど自分の生き方を自分で選び取って欲しい。」と女子学生に向けた講師の言葉にはとてもあたたかい響きがありました。他の参加者からも本音で意見交換され、女性が抱える漠然とした不安を共有し、新しいものの見方を知り視野が広がる瞬間を経験した時間となりました。




    お茶の水女子大学総合学修支援センターリサーチフェロー 中島ゆりさん

      タイトル8/31 女子学生のキャリア選択 ~視野を拡げる、見方を変える~ (シンポジウム) 会場:福岡市立婦人会館「あいれふ」9F 大研修室 
      開催日時 2013年8月31日(土)

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