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女性と科学技術:イノベーションの扉を開く【あすばる共催事業】

 3月15日(金)福岡アメリカン・センターにおいて、社会や生活に役立つテクノロジーを発明し、数々の米国特許を有するとともに、自身で会社を立ち上げ現在も経営に従事する傍ら、起業について大学でも教鞭をとっているアメリカ人女性イノベーター、ショシャーナ・ローブさんの講演会を開催しました。

  ”From Dreamers to Doers”(将来への夢を追いかける人から、実行に移す人たちに)をキーワードとして、Appleのステーブ・ジョブズ、Facebookのマーク・ザッカーバーグ、Twitterのエヴァン・ウィリアムズをはじめとする数名のアメリカ人起業家の成功例とその要因を紹介するとともに、科学的思考・テクノロジーをベースとしたビジネスアイデアの見つけ方やビジネスモデルの構築について話されました。
 ローブさんは、iTuneができる前に、好きな音楽を好きな時に聞けるアプリの開発に成功したり、沿岸警備隊で使用するシステムを開発するなど、他にも数多くの発明をされています。
起業を通して学んだこととして、「忍耐力」「考察力」「決断力」「柔軟性」「メンターをつくる」の5つを挙げられました。「起業する事は、男女関係なく大変な事です。しかし、何もない所から新しい何かを作り上げた時は、大きな達成感があります。」と語られました。
 特に「柔軟に対応する力」を重要視され、『この世に生き残る生物は、最も強いものではなく、最も知性の高いものでもなく、最も変化に対応できるものである。』というチャールズ・ダーウィン(進化論で有名なイギリスの自然科学者)の言葉を例に出されました。
 ローブさん自身も、4人の子どもを育てながら仕事を続けておられます。近くに両親がいなかったため、夫や周りのサポートを得ながら柔軟に対応してきたそうです。起業家であり経営者でもあるローブさんは、忙しい日々を送られていますが、子どもたちは、ローブさんをとても誇りに思っているそうです。

 また、起業するにあたり「小さな事からスタートしよう」というアドバイスをいただきました。「興味のある分野で、特にコストが少なく、市場(人気)があり、手をつけやすい所から起業してみましょう。そこで顧客を増やして、少しずつ拡大していく事をお勧めします」と続けられました。
 さらに、「失敗やリスクを負うことはとても良いことです。重要なのは、問題に直面し適応していくことなのです。」と心強いメッセージをいただきました。

 ローブさんの講演の後には、日本の女性科学者のロールモデルであり、文系出身でありながら工学博士号を取得し、現在九州大学応用力学研究所・高温プラズマ力学研究センターの准教授を務める上瀧恵里子さんを交えて対談を行いました。
 日本の女性研究者の割合は、世界に比べて非常に少ないということもあり、国をあげて女性研究者を増やそうと様々な施策が立てられています。そこで研究者に必要なスキルを上瀧先生に伺いました。「起業家と同じように研究者にもリーダーシップが求められます。また、女性は出産や育児でキャリアを積むことがなかなか難しいですが、努力すればできる!という強い気持ちを持つことも大切です。」と熱く語られました。

 会場を埋め尽くした参加者からも、「変化に対して適応していく、というシンプルなキーワードが強く心に残りました。」「小さなことから実践していく。まずは行動をしてみないと、改善も発見も生まれないことに気付きました。」という意見が寄せられ、一歩を踏み出す勇気を得られたようです。

    タイトル”From Dreamers to Doers”(将来への夢を追いかける人から、実行に移す人たちに)
    開催日時 2013年3月15日(金)

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