10月23日(月)は、大野城市元気塾「わたしを活かす場を作る。託児付コワーキングスペースを生み出す学びの6か月」の2回目の講座でした。

「一時保育へのこだわりがママを救う~マミースマイルの事例~」と題して、株式会社マミースマイル代表取締役の雁瀬暁子さんに、一時保育事業を実現した経緯をお話しいただきました。
雁瀬さんは、福岡市の助成事業で一時預かり事業で、
マミースマイル保育園
をやっている他、ワークライフバランスコンサルタント、ふくおか女性いきいき塾の一期生で、かつ平成27年度からは同塾のアドバイザーをされています。
24時間365日体制の「母親」という役割をちょっとだけ休もう
アナウンサー志望で大学生の頃からテレビやラジオのレポーターをし、出版社でもバリバリと働いていたものの、結婚・出産で8年程「専業主婦」をしました。夫は仕事で帰りが遅く、一人で幼い年子の姉弟を育てている中で、「母」としての役割を完璧に果たそうと思うあまり、だんだん追い詰められていきます。泣いてる子どもをおんぶにだっこしながら、自分も泣いている、そんな状況です。
誰にも認められない、孤独な子育ての経験から、2007年「専業主婦のための保育園・マミースマイル」を開業しました。
コンセプトは、「ちょっとだけママを休もう」
最も殺される確率の高い年齢は0歳児であり、それも母親が加害者である。
福岡市のショートステイ利用理由のうち、「育児疲れ」が占める割合は54.9%。
そういう現実の中で
目標は「母親を笑顔にすることで、世界中を幸せにすること」
お母さんを笑顔にすれば、子どももお父さんも笑顔になり、お父さんが笑顔になって会社に行けば、会社の社長や同僚も笑顔になり、仕事がはかどれば業績があがって給料が上がる、そして、給料が上がって余裕ができれば、お母さんの洋服を買ったり、、、こうして幸せのサイクルができるんじゃないか、と思います。
ミッションは
「仕事以外の理由でも、母親が罪悪感なく保育園を利用できる環境を作ること」
10年前は、仕事以外で子どもを預けることに罪悪感を感じる人がとても多かった。その頃とは、ずいぶん変わって、それほど罪悪感なく預ける人も増えてきました。
また、マミースマイルは、サードプレイス。ママ友だけじゃない、家族だけじゃない、違う人間関係を作って、ここにいれば人間関係のストレスが癒される場所になれたらいいよね、というのも始めた動機の一つです。
「何をするか?」より「何をしたいのか?」
平成19年10月に福岡市基準届出保育施設としてオープンしたマミースマイルですが、当初は、さまざまなママ向け、親子向けのイベントを企画したり、リフレッシュのためのゲルマニウム温浴やマッサージ、化商品販売なども手がけました。平成20年の託児売り上げは全体の売り上げの38%。
それでも赤字続きで貯金を取り崩し、パートナーは深夜のアルバイトで生活費を稼ぐ。何度も「辞めようか」と思った日々が、4年ほど続きます。
「借金をしなければならなくなったらやめよう」と腹をくくり、何がしたいのか?を問うと、それは、
子育て中の母親のレスパイト(一時休息)で子育ての負担を癒し、それによって子どもの健全な育成に貢献したいということでした。
手当たり次第の事業を整理、手放し、託児に比重をシフトすることにより、徐々に売り上げが伸びていきます。平成24年に福岡市一時預かり事業を受託、平成27年に株式会社を設立、現在の売上は初年度の4倍以上、託児売上比率は95%以上になっています。
認可外保育園 正直言って、儲かりまっか?
保育事業は、売上をあげようと思えば、人件費も増えることになります。保育をロボットにやってもらうわけにもいきませんよね。ある程度売上を上げようと思ったらコストをかけないといけないので、たくさんは儲かりません。ですが、仕入がいらず、資金面でのハードルが低い。保育料は基本的に前払い。コストはほぼ定額(人件費、家賃、光熱費、雑費)。設備投資がほとんどいらず、在庫を抱える心配がない。景気にあまり左右されない。ホテルと一緒で、損益分岐点を超えたらすべて利益になるので、堅実に儲かります。
保育事業での起業を考える方へ
- 立地はいろんな側面からリサーチしましょう。広さ、駅近、etc
- 想定外だった固定資産税。事前に調べておきましょう。
- 口コミが大事です。集客はメディアへのプレスリリース、インターネットを使ってどんどん宣伝しましょう。
- チラシ配布は、4か月検診、1歳半検診、離乳食教室、予防接種の日にすると効果的です。
- ホームページは作りましょう。
- 協力者の輪を広げ、強い発信力を持つこと。こんなにいいことをやっているのに、知ってもらわなければ利用してもらえません。発信が大事です。
- 一緒にやっていく仲間とは、ミッションの確認・共有を頻繁にしよう。
子どもと一緒に参加できる講座
託児付コワーキングスペースの実現を目指す講座なので、参加者には子育て中のママたちが多くいらっしゃいます。もちろん、託児付の講座ですが、預けられない小さい赤ちゃんは一緒に参加しています。
講座の前には、必ず、「 お子さんが泣いたり、ぐずったりすることもありますが、どうぞ暖かく見守ってください」といった趣旨のアナウンスがあります。
子どもにも、子どもを持つお母さんにも、優しい社会でありたいものですね。
第4回講座のご案内
【公開講座】
ママが働く壁をぶち壊す!
~奇跡のサテライトオフィス千葉県流山市Tristの事例~
日時:12/15(金)10:00~12:00
講師:
株式会社新閃力
代表取締役・
Trist
代表