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吉田 まりえ(よしだまりえ)さん (2005年12月取材)

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九州の暮らし創造研究所 代表 (取材時:福岡市NPO・ボランティア交流センター センター長)

活動の場での疑問が、次のステップに

 

住みよい街づくりを目指して何かをやっては課題が見えた

 「特定非営利活動法人NPOふくおか(以下、NPOふくおか)」はボランティア活動やNPO活動など、市民の自発的な活動を支援・促進する市民活動支援団体として1999年に生まれました。NPOふくおかは、2002年より福岡市NPO・ボランティア交流センターの管理運営を受託しています。吉田まりえさんは、現在そこのセンター長をしています。
 もともと、吉田さんは「人間はどんな場所でどんな活動をするのか。」ということに興味があり、大学では建築を専攻。道路や公園など皆が使うものを対象にして、住みよい街づくりを計画する建設コンサルタントと言われる仕事に就きました。しかし、働くうちに住む人の意見を聞かないままに街を作るというやり方に疑問を持ち始め、福岡ワークショップデザイン研究会に参加しました。
 現在はワークショップあるいは参加型という方法は多く見られますが、当時は珍しかったと言います。そこでのやり方をもっと勉強したいと思った吉田さんは会社を辞め、研究会でいろいろな自治体の街づくりの手伝いを3年ほど続けました。ひとり立ちしなければと思っていた頃に、1年間市役所で働き、そこで、行政や法律を学び、その後はそこで得た知識も生かし、フリーでさまざまな会社の人と組んで個人で仕事をしてきました。しかし,ここでも自分のやり方に疑問が生まれます。「どんなに過程を工夫しても、それに関わり生活する人たちの日常生活の中で生かされないと街は変わらない」。そう思った吉田さんは場所を作ることと人の活動をコーディネートすることの両方に携わりたいと考えました。
 こうして物事に疑問を抱き、それを解決するためのひとつのステップとして、吉田さんは現在の市民活動を支援する「NPOふくおか」にたどりつきました。センター長の今は「組織を持つこと」を学び、自分が疑問に思ったことを解決するための方法をひとつずつ増やしています。

必要なのは問題意識。走りながら休みなさい

 今でこそ自分の生き方を徐々に見つけ始めた吉田さんですが、自分のしてきたことに疑問を感じることもありました。「かなり長い期間、自分が何を目指していたのか、ずっと考えていた時期がありました」。吉田さんはその悩みから抜け出すため、いろいろな人のサクセスストーリーや伝記、小説などを読んだり、起業した人に話を聞いたりと、人がどのように人生を決めたのかを知り、目標とする人や、自分のスタイルを見つけていったと言います。
 「人生をまず70歳に設定。中間35歳までの一番重要な価値基準は自分が一番疑問に思ったことに対して一番勉強できること。これまで私がお世話になった方は40歳代の方が多かったので、自分も40歳代以降は何か人に伝えられる立場にと考えました。35歳から40歳までは40歳以降にどうすればその立場につけるかを考える時期です」。そうして自分のいるべき位置を決めてから「ずいぶん楽になった」と言います。

これからの夢とメッセージ

 吉田さんが今でも悩んだり迷ったりする時に思う言葉が二つあります。一つは“必要なのは問題意識”。つまり「これはおかしいんじゃないか」と思う気持ちを持ち続けること。二つ目は“走りながら休みなさい”ということ。「迷った時も食べていくために仕事するとか、何かをやり続けている状態をやめてはいけないんです。休んだら二度と戻れなくなるって恩人から言われました。もちろんちょっとは休まないといけないんですけどね」。たとえば悩みでも手放さずに悩み続けることで、「何か答えは出るかも」と吉田さん。「思わなければやってこないんですよ、答えって。思えばやってくる。経験的にはそうやっていると何かことは運びますよ。そうして道は開けるような気がします」。

                                   (2005年12月取材)

☆近況紹介☆

〔近況をお聞きしました!〕
5年で一区切り、福岡市NPO・ボランティアセンター「あすみん」を退職後、フリーランスとして再度、活動を始めました。
これまでの経験をもとに、人と人、人と組織、人とまち、相互に働きかけ、私たち一人ひとりが自分らしい暮らし方を見い出し、誇りを持ち、活き活きと過ごせる社会をめざして、まちづくりや研修等をお手伝いさせていただいております。
                                      (2011年4月)

プロフィール

建築コンサルタント。大学で建築を専攻し、当時、九州芸術工科大学・藤原恵洋氏主宰の福岡ワークショップデザイン研究所で学び、市役所・民間企業勤務などを経て「九州の暮らし創造研究所」を立ち上げ、フリーで活躍。
特定非営利活動法人NPOふくおか理事として、福岡市NPO・ボランティア交流センター長を務め、自治体を対象に、主に都市計画の分野において市民参加の仕組み構築の支援をはじめ、他団体と協働で、勤労者の仕事と生活の調和をはかる「勤労者マルチライフ支援事業」にも取り組み、企業の地域貢献にも寄与してきた。現在は、フリーランスとして、これまでの経験を活かし、まちづくり等に貢献している。

〈これまでの歩み〉
大学で建築を専攻。卒業後、建設コンサルタント会社に就職。

そこで、働くうちに住む人の意見を聞かないままに街を作るというやり方に疑問を持ち、それを解決すべく、福岡ワークショップデザイン研究会に参加。

もっと勉強したいと思い会社を辞め、いろいろな自治体の街づくりを手伝い、市役所に勤務。行政や法律を学び、フリーで仕事をする 。

しかし、どんなに過程を工夫しても、生活の中で生かされないと街は変わらないと思い、場所を作ることと人の活動をコーディネートする両方に携わるNPOという考え方を学び、「NPOふくおか」にたどり着く。

平成14年から「NPOふくおか」が 福岡市のNPO・ボランティア交流センターの管理運営を受託し、そのセンター長になる 。

ボランティア交流センター退職。九州の暮らし創造研究所代表。

 

 

 

 


 

 

 

 

キーワード

【や】 【NPO・ボランティア】

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