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シンポジウム『若者が社会に立ち向かうために』~生きやすい社会の実現にむけて~

あすばると福岡大学が共同で、「若者が社会に立ち向かうために~生きやすい社会の実現にむけて~」と題したシンポジウムを開催しました。
最初に、福岡大学人文学部 教育・臨床心理学科講師の植上一希さんが、この講座の目的について、「大学生が近い将来関わっていくだろう社会現実をテーマに、授業で教わるデータだけでは捉えられない社会の現状や課題を、行政や現場の実践者から学び、学生自身が社会に発信する機会をつくる」場としたことを説明しました。具体的には、昨年の10月から福岡大学の授業において、行政や団体の方を講師に招き、福岡県の男女共同参画の取組と現状や、母子家庭・父子家庭の実情、DV(ドメスティックバイオレンス)の状況などの講演を通して、学生自身が捉えた社会の課題を一般参加者と共にその後のワークショップにおいて、様々な視点から議論した様子などが紹介されました。
また大学生3名による話題提起では、ワークショップのテーマとなった「仕事はやめるな、は本当?」や「結婚する?しない?」「生きづらさについて考える」について、社会人との意見交換を通して、学生たちが感じたことなどの意見発表が行われました。
学生たちの多くは、普段データでしか見ることのない社会の現状について、行政がどのような観点で制度や政策を実行しているのか、また現場の方々がどのような思いで実践しているのかなど、生の言葉を聴くことができたことは、非常に貴重な経験になったようです。
さらに、同科講師の寺崎里水さんによる話題提起では「女性が社会形成から切り離されている現状と同じように、男性は長時間労働により家族形成という社会から切り離されている」現状と、「女性が出産育児により労働市場から戦線離脱とみなされることは、裏を返せば男性が病気になり休職することも許されない現代社会である」ことなどについて話されました。
シンポジウム後半の、九州大学大学院人間環境学研究院准教授の岡幸江さんによる「社会教育学の立場から今回の取組を評価する」と題した講演では、学生たちが自分たちの考えや言葉で社会にコミットすることの重要性と必要性について、学生たちの感想文を引用しながら説明されました。特に学生たちの感想で多く見られたのが「学生同士で普段、このような話しをするきっかけがなかったので、社会人と一緒に同じ学生同士でも意見交換が出来たことが、とても貴重な経験だった。自分たちの生き方について、異世代だけでなく友達同士でももっと語り合っていきたい。」というものでした。インターネットやメールで様々な情報をやりとりしており、若者自身も「たくさんの人たちといろんな会話をしている」と思っていたが、それは実はうわべだけの会話でしかなく、深い部分でのお互いの考え方や気持ちまで語り合っていなかったことに改めて気づかされた、という学生も多かったようです。
仕事、結婚、社会という、おそらく誰もが何らかの形で関わっていくであろうテーマについて、大学生同士、また社会人も交じって一緒にコミットしていくことで、これからを担う若者たちが主人公となれる男女共同参画社会が、構築できるのだと感じられたシンポジウムになりました。

    タイトルあすばる・福岡大学共同企画「シリーズ 若者、社会に問う」
    開催日時 2012年1月7日(土)

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