3回目となるセミナーは若い人の間で見られる「デートDV」について、学生の寸劇も交えて開催しました。
午前中は財団法人アジア女性・交流研究フォーラム主席研究員の篠崎正美さんに「デートDV~交際相手方からの暴力~」をテーマに講演いただきました。
デートDVの特徴として、携帯メールのチェックやアドレスを勝手に消す、友だちとの交際を制限する、デートの費用をいつも払わせる、お金を借りたまま返さない、避妊に協力しない、自殺するなどと言って別れさせないなど、暴力の脅しによって相手を支配し、コントロールすることなど、相手を思い通りにすることと話されました。
また、デートDVの実態として(男女間の暴力に関する調査、内閣府2009より)10代~20代の交際相手からの被害体験は、女性13,6%、男性4,3%で、女性に多い被害では、けがや精神的不調が約50%、命の危険を感じたのが約20%と報告されました。このような被害体験があっても一緒にいるのは、「恋人同士だからいやなことも仕方がない。」「女性は男性の言うことを聞く方がかわいいから、男性には逆らわない方がいい。」「いつも暴力をふるうのではなく、普段はとても優しいから信じたい。」など別れられない理由があり、それは、男らしさ・女らしさのとらわれがあり(ジェンダーバイアス)、24時間いつでも連絡がとれる携帯電話の普及という社会的背景があるとお話しされました。
デートDVやDV被害を相談されたら、あなた(あなたの子ども)が悪いのではないと伝え、落ち着いてゆっくり話を聴き、スクールカウンセラーなどの相談機関に相談するなど、学校教育の中で子どもたちに教えていくことが大事ですとアドバイスを頂きました。
午後からは、福岡女学院看護大学講師の奥野由美子さんに「自分の気持ち、きちんと言える?」をテーマに人と人とのより良い関係について考えるワークショップを行いました。
ワークショップでは午前中の講義を更に理解していただくため、3つの事例を同大学の学生にロールプレイしていただきました。「自分と相手、お互いにとって大切なことは何だろう。お互いが楽しくて輝いているような対等な関係を築いていくには、何が必要なんだろう」をグループでディスカッションし、より良い関係をつくる伝え方『Iメッセージ』と『YOUメッセージ』、また対等な関係を築くコミュニケーションなどを教えていただきました。
参加者からは、「デートDVの基礎知識を得ることができました」「“私”を主語とした言い方、I(私)メッセージを使っていきたいと思いました」「ワークショップでいろいろな意見が聞けて良かったです」「娘と参加できたら良かったと思いました」等の感想が寄せられ、一人ひとりがDVを正しく理解しDV被害を防ぐ第一歩に繋がるセミナーとなりました。
タイトル | デートDV |
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開催日時 | 2011年8月25日(木) |