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DV被害者サポーター養成講座

開催場所:クローバープラザ 西棟5階セミナールームAB

 本年度、初めて一般の女性の皆さんを対象に「DV被害者サポーター養成講座」を開催し、一般県民の方々をはじめ、行政職員・教育関係者・民生委員など様々な分野から43名の参加がありました。

 午前中には、特定非営利活動法人アジア女性センターの本多須美子さんに、「DVとは何か?そのメカニズム」をテーマに、仕事として活動されているDV被害者サポートのご経験も踏まえながらご講演いただきました。

 最初に女性の人権について、国際的動き、法制定の流れ、DV防止法が制定された後、この10年で劇的に変化してきたことを話されました。DVが起こる要因は、力によって相手をコントロールしようとする関係、暴力容認の社会、ジェンダーによる偏り、この3つの関連性にあるそうです。また加害者はカッとなって暴力を振るうのではなく、場所・相手・時間を選んで行う冷静沈着な意図的な行動であり、けんかとDVの違いは一方が相手を怖いと感じるかどうかに関わっているそうです。

 DV・虐待の被害者や子どもへの精神的な影響も深刻で、不安・恐怖・孤立感から、自尊感情の低下や無力感が生まれ、もともと自分が持っている力が出せなくなり逃げることもできなくなるのだそうです。
 
 参加者のみなさんの近くにDV被害に遭っている人がいたり、DVではないかと疑われるときは勇気を持って相談することを勧めたり、相談支援センターの情報を知らせたりすることで、被害者に手を差し伸べてほしいなど多くのメッセージをいただきました。


 午後からは、女性協同法律事務所・弁護士 郷田真樹さんに「DV被害を防ぐためには?~DV防止法を知って活かす方法~」をテーマにご講演いただきました。

 2001年DV防止法制定により、警察が配偶者からの暴力を事件として取り扱うようになったこと、個人がDVと気がつきやすいように社会が変わってきたこと、被害者が自立していくためには、継続的な支援と、行政・警察・医療など一人の人間が生きていくことに関わる機関が連携し支援していくことが重要であることなどを理解することができました。特に保護命令申立については、ご自身の弁護士としての経験を踏まえながら、保護命令申立の方法、安全面において注意すべきことなど、詳しく説明していただきました。DV被害者サポーターとして、私達県民一人一人がどういう意識を持って、どうサポートしていけばいいのかを知る事が重要であると参加者に向けてメッセージを送られました。

 今回は、「配偶者に対する暴力は多くの人々にかかわる社会的問題であるとともに、男女の固定的な役割分担、経済力の格差、上下関係など我が国の男女が置かれている状況等に根ざした構造的問題」であり、「DVは犯罪」であるということを、一般県民一人ひとりが認識する重要性を痛感した講座となりました。

    タイトル第1回 「DVとは何か?そのメカニズム」「DV被害を防ぐためには?~DV防止法を知って活かす方法~」
    開催日時 2010年6月25日(金)

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