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第3回    増やそう! 家事・育児をシェアする 

あすばるゼミナール

 

 

     講師 富永 桂子 さん

 

      (福岡大学講師)

 

                   富永桂子さんロールモデルご紹介ページ

第3回    増やそう! 家事・育児をシェアする 

 

6歳未満児のいる夫は、33分の育児時間を含む総家事時間が1時間です。家事時間はアメリカの3分の1、育児時間は2分の1に過ぎません。男性の家事・育児のシェアは、女性が仕事を継続できる男女共同参画の切り札といえます。シェアする男性を増やしていくために、何が求められるのでしょうか。

 

子どもや若者について見てみましょう。

宮原さんの「シングルパパのガチンコ子育て」が西日本新聞に連載中です。そこに、「家事もできることは手伝ってもらう。こうしてきたことで、小学2年の娘でも、お米を研いでご飯を炊くことができ、洗濯機を回して干して畳めるようになりました。・・わが家の子どもたちは将来、たとえシングルパパやシングルママになっても十分生きていけると思います。」とありました。家族全員で家事をシェアすることが出発点のようです。

また教育機関での学習も外せません。

家庭科の共学世代の男性は、家事参加の割合が高く、そうでない世代は、配偶者に任せがちだそうです。家庭科教育は男性の家事・育児への関心や能力の向上に必須といえます。大学の女性学関連講座も、性別役割分業意識を変えていくために有効のようです。アンケートには、「自分はいままで自分の家庭のことしかわからず、母が家事、育児のほぼすべてをやっていたため考え方が偏っていたが、この講座を受講して視野を広げることが出来た」(1年男)など、意識の変化についてたくさん記されています。

 

では国や企業はどのような支援をしているのでしょうか。

2010年、厚生労働省は、「パパ・ママ育休プラス」の制定など、男性の子育てや、育児休業取得の促進を目的とする「イクメンプロジェクト」を立ち上げました。「第3次男女共同参画基本計画」は、男性の育児休業取得率の目標を、2009年1.7%から2020年13%としています。これくらいは実現してほしいです。

男性の育児支援に積極的な企業として、外資系や若い社員の多いIT関連などがあげられます。あるIT関連会社では2008年度に、配偶者出産休暇を約400名、育児休業を約30名が利用したそうです。担当の職員は、「育児と仕事の両立は、男性の育児参加なしには成り立ちません。育児の体験があるかないかでは、やはり理解が大きく変わってきます。男性の育児参加は必要不可欠なのです」と語っています。

 

さらに親密な関係の中で、女性からの積極的働きかけも見逃せません。既婚男性からは、「イクメン・カジダンになる努力が無ければ今一緒にいないと思います」との声もありました。

しかし一番肝心なのは、男性自らの運動だと思います。そのパイオニアは、30年以上の歴史を持つ「育児連(男も女も育児時間を!連絡会)」でしょう。

九州でも2010年に“九州男児”の父親を、主体的に育児をする父親にしよう、と「ファザーリング・ジャパン九州」が結成されました。このグループは、以下の「あすばる」支援事業報告書『未就学児を持つ父親の育児・家事に関する調査~イクメン・カジダンを増やしていくために~』において、家事・育児の苦手な男性にアドバイスをし、社会的支援を提言しています。

「まったく家事経験のない父親が、いきなり一人で料理するのも非常に難しいことなので、まずはパートナーにリストアップしてもらった食材の買出しに子どもと行くなど、部分的なところから始め、徐々にステップアップしてみてはどうだろうか。・・・子どもと接しているが楽しめないという人については、子どもとの遊び方が分からない、赤ちゃんの世話の仕方が分からないという理由が考えられる。母親は妊娠中から母親学級などがあるが、父親に特化した父親学級などの開催も求められる。気軽に父親が子連れで集まれる場、父子で楽しめる機会があれば、父親同士の交流から得るものも多」い、としています。

家事・育児をシェアする男性を増やそうとするこうした男性自身の活動が、性別役割分業を流動化し、男女共同参画社会の実現を引き寄せているように思われます。

 

                           

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