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春日市元気塾「経験者に学ぶ!~福島・熊本で起こったこと~」

経験者に学ぶ!~福島・熊本で起こったこと~

10/19(水)に、春日市元気塾3回目の講座が春日市総合スポーツセンターで開催されました。

福島から、佐藤辰夫さん(福島県PTA連合会 顧問)、熊本から、徳丸宏美さん(熊本県益城町立広安西小学校PTA 副会長)をお迎えし、当時の様子、そして、今なお続く復興に向けての取り組みをお話しいただきました。

 

佐藤さん:子どもたちの「生きる権利」、「育つ権利」、「学ぶ権利」を守る

 

佐藤さん.png 佐藤辰夫さん

子どもたちの3つの権利、「生きる権利」、「育つ権利」、「学ぶ権利」を守ることは、大人の義務。それは当たり前のことだが、そのためにやることが、福島では異なります。「生きる権利」を守るためには、徹底した除染、学校用給食用食材の厳密な検査体制の確立や安全確認強化であること。「育つ権利」は、子供たちの放射線量の把握や将来にわたる健康診断や手当て。「学ぶ権利」については、すべての子どもの学力向上のための教育水準確保及び支援や教員に優秀な人材を確保することです。原発事故直後に屋外活動を制限されたことや、仮設住宅などでの避難生活が長期化することで、運動不足が習慣化しており、肥満、体力低下が深刻な問題となっています。

子どもたちの心のケアのために、劇団四季のミュージカルやオーケストラのコンサートなど、さまざまなことに取り組んでいます。また、復興に向けて未来への取り組みとして、水俣交流事業も行っています。なぜ、水俣か?過去、熊本では「水俣病」でたくさんの風評被害を受けました。それが、福島が今向き合っている状況と似ています。

東日本大震災で多くのものを失い、当時は未来を想像することすらできなかった。今、以前の福島を取り戻すために、大人ができることは将来の福島県を描くこと、それを実現するには、自分たちの子ども、孫の世代であるかもしれない。今、みなさんにできることは、正しく福島県を知ることです。

 

徳丸さん:不安に打ち勝つには防災意識を高めるしかない

 

徳丸さん.png 徳丸宏美さん

4月14日、PTAの総会資料の準備を終えて、そろそろ帰ろうかという頃、最初に身体がポンっと浮き上がった。その直後、ものすごい横揺れに和室の座卓では身を守ることもできない。普段は家まで5分の道に、20分かかって帰り着きました。それほど、道路がまともに歩けませんでした。

親は子どもを守る義務があります。そのためにいろいろなことを家族で共有しています。

「防災タイムライン」を作って、自宅で被災したとき、学校や職場で被災したとき、外出先で被災したとき、その時々でどうするかを話しあっています。子どもだけの場合もあるかもしれない。ご近所に子どもだけで避難してきた場合は保護してください、とお願いしています。自宅で被災したときは、どこから逃げるか、どこに逃げるか。家の中のあらゆるものが凶器になる可能性があります。各部屋で安全な場所はどこか。逃げる場所にはガラスや大きなものを置かない。大きな家具は建付けにして、腰より高い家具は置きません。L字金具で家具を固定する、あれは熊本地震の際は全く役に立ちませんでした。外出先での被災に備えて、外出先を必ずホワイトボードに書くようにし、どこに逃げるかを決めています。防災グッズの保管場所や使い方、応急処置のやり方も子どもに教えています。

今回の地震から学んだことは、日頃からの防災意識が大事であること、地域コミュニティの重要性、自分が関わるコミュニティやその中で自分にできることを考える、「生き抜く力」を見出す、子どもに学ばせる、「感謝」の心を忘れないことです。

 

避難所に必要な女性の視点(パネルディスカッション)

 

佐藤さん、徳丸さんのお話の後は、今村隆信さん(元小学校校長、文部科学省初中局コミュニティスクール・マイスター)のコーディネートのもと、パネルディスカッションで、避難所の運営の方に視点を移して、お二人の話をお伺いしました。

 

今村さん.png 今村隆信さん

益城町立広安西小学校は、井手文雄校長先生がリーダーシップを発揮され、苦しく大変な中で「明るい避難所」にする工夫をされたそうです。その一つが先生たちを大臣制にしたこと。物を運ぶ人は「運輸大臣」、ボランティのお世話をする人は「ボランティア大臣」、「サロン大臣」、「音楽大臣」など、自らは「総理大臣」、副校長は「官房長官」。

また、井手校長はボランティアを断らず受け入れたそうです。行政は『公平さ』『万が一のことへの懸念』を優先するため、多かった炊き出しボランティアを受け入れることができない。よそでは返されるボランティアも少なからずいた中で、校長が腹をくくって一切断らなかったそうです。そうした中で、次に必要なのはこんなボランティアですよ、とボランティア同士がネットワークを作っていったということも紹介されました。

 

○DSC03053.JPG

最後に、避難所運営の責任者には、女性を複数名入れる必要があること。女性用品や子ども用品など、男性は知らない、視点がいかない。女性から相談するときに男性には言えない、など。佐藤さんは、僕が子ども達に聞いても、怖がって話をしてくれないことがあった。そんなときは、女性の人に話を聴いてきて、とお願いしたこともあったそうです。

避難所運営も、男女共同でやることが大事なんですね、と締めくくられました。

 

○DSC03057.JPG

 

○DSC03063.JPG

 

ラストに、佐藤さんから、福島県の「起き上がり小法師」を徳永さんに手渡されるというサプライズが。「起き上がり小法師」は、「七転八起」の縁起物として知られ、復興へ向けて東北地方のシンボルとしてとても注目されています。「不撓不屈」の文字が書かれた「起き上がり小法師」、広安西小の校長室に置いてもらいます!と徳永さん。

起き上がり小法師渡す.png 起き上がり小法師.png

 

ケーブルテレビの取材を受けました!

 

○DSC03003.JPG取材を受ける実行委員長の杉浦さん。

放送は、10月20日の19時から4時間置き流されるそうです。

 

公開講座のご案内(いよいよHUGを体験します!)

 

春日市公開講座表_R.jpg

12月7日、1月18日の講座は、どなたも参加できる公開講座です。

 

もしもの時にきっと役立つ!

避難所の運営体験ゲームでシミュレーションすることにより、『その時、どう動く!』かを学びます。

実行委員のみなさん曰く、2回目は1回目に気付かなかったことがわかってきます。お時間のある方はぜひ2回とも参加されることをお勧めします!

 

詳細はこちらより

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